「あなた、死相が出てるわよ…」メンヘラ妻に悩むキャリア官僚の相談。家族再生のプロが見抜いた「意外すぎる原因」
直人:わかりました。まず、妻との出会いは、僕の部署でパンフレットを作る企画があり、友人が「いいイラストレーターがいる」と彼女を紹介してくれことがきっかけ。結局、仕事にならなかったんですが、飲み会はやったんですよ。その時、僕のグラスが空になったらサッと頼み、食べ物の注文も効率的かつ迅速だったんです。 もうその頃は好きになっていて、僕の方から押して押して、押しまくって結婚したんです。後にも先にもあれだけ人を好きになったのは初めてでした。 川崎:なんで彼女がそこまでよかったの? 今までの彼女と何が違ったの? 直人:これまで3人の女性と付き合ってきたんですが、大学の同級生とか、他部署の同期や先輩だったりして、なんか、仕事の延長のようで面白くなかったんです。 元彼女たちに比べて、彼女は明るくて自由でした。「私のこと、好き?」って聞いてくるのもかわいかったんです。 印象に残っているのは、デートで下町を散策していたときのこと。ある家の前にプランターがあったんです。僕は、道路の不法占有が気になってしまったんですが、彼女は「すごい! 日陰なのに花がきれいに咲いているね」って。 彼女は思ったことがすぐ言葉になるし、感情が顔に出る。歴代の彼女は頭が良くて仕事できる人が多かったんですが、ポーカーフェイスな人が多く、感情を読むのに一苦労していたんです。だから、彼女と一緒にいると「この人といると、ウソをつかなくていい」と思ってプロポーズしたんです。 川崎:なるほどね。感情を自制し、理論を優先する直人さんと、感情表現豊かな妻……ねえ、奥さんってさ、離婚歴ある?
直人:なんでわかるんですか!? 妻は24歳で結婚し、27歳で離婚しています。なんで?? 僕、一言も言っていませんよね。 川崎:いや、あてずっぽうだけど(笑)。奥さんのようなタイプで、感情を表現するのがうまい人は結婚が早い傾向があるというだけ。加えて交際期間も短かったでしょ。 直人:はい。出会って半年で結婚しました。 川崎:直人さん側の家族は、さぞかし反対したでしょうね。 直人:そんなこともわかるんですか!? 父は無口になり、僕の母は「縁を切る」と宣言。 その当時、僕は37歳だったし、いい女性はみんな結婚していました。友人のほとんどが父親になっており、「あとがない」と思って彼女との結婚に踏み切ったんです。 結婚してから半年間は、まさに蜜月でした。お互い37歳でしたが、すぐに子供もできました。 ただ、このあたりから雰囲気は悪くなっていった。妻は、「あなたはいいわね、自由にどこでも行けて、お酒も飲めて」と恨み言ばかりを言うようになったんです。 川崎:妊娠すると、つわり、気持ちの落ち込み、胸やけ、行動や食事の制限などもあるから奥さんの気持ちもわかるわ。ただ、それを「仕方ない」と受け入れるか、「なぜ私ばっかり損をするのか」と思うかは、人によって違う。 直人:妻は後者でした。僕が仕事から帰ってくると「あなたはずるい。自由に外に出て、楽しそうにしてさ」と言うんです。妻の妊娠中は飲みにも行ってませんし。 結婚するとき、家事の役割分担を決めたのですが、せめて妻の役に立とうと、ゴミ出し、掃除、洗濯、トイレ掃除に加えて、朝ご飯の準備まで僕がするようになりました。 川崎:あなたは仕事に行っているだけなのにね。ただ、妊娠中は特殊な時期だからなぁ。大変な人は本当に大変だし。ところで、奥さんはその頃は仕事をしていたの?