オーナー念願のTC24-B1Zは製造数20基目にあたる、記念すべきユニット|進化形L型エンジンチューンに迫る!
【1971年式 日産 スカイライン 2000GT L28/3.1L+TC24-B1Z+ウェーバー 48DCOE|進化形L型エンジンチューンに迫る! 】 【画像22枚】珠玉のエンジン「TC24-B1Z」を搭載した俊足&快適仕様のハコスカ。インパネまわりはオリジナルのイメージを大切にしており、ぱっと見にはノーマル風としている 互換性のある3.0Lキットの登場によって、従来の3.2L仕様に加えて3.0Lのハイレスポンス仕様としても楽しめるようになったOS技研のTC24-B1Z。79mmストロークのフルカウンタークランクを開発しての3.0L化。 これにより現行のTC24-TC24‐B1Zは、レスポンスの面でも、L28型の純正クランクを使用した元祖モデルを上回ることになる。L型ファンせん望の4バルブDOHCヘッドのレーシングユニットは、パワーや速さだけでなく、チューニングの自由度という点もL型チューンの先端を走る。 オーナーは、OS技研が元祖モデルをリリースした当時からの、TCエンジンの大ファンだ。長きにわたって所有したフェアレディ2000(SR311)に、4気筒のTC16を搭載しようか真剣に考えていたことがあるという。 機械加工工場を経営し、自社がOS技研のパーツ製作を請け負っていることもあって、TCの生みの親である先代の岡崎正治さんとは古くから知り合いだ。 ある時、オーナーが「SR311にTCを搭載したい」との思いをぶつけてみた。しかし、「あれはトラックじゃ。あんなもんにTC載せてどーしよる」と岡崎さんらしい一言に、あえなく断念。しかしこの出来事は、オーナーのTCへの思いを逆に強めることになった。
TC24を快適仕様にセットアップという理想を実現
現在所有するGC10ハコスカは、「いつの日か自分もTCを」と夢見て手に入れたクルマだ。SR311と2台所有で出費がかさみ、やがてSR311を手放してその代金をTC24の購入費にあてることにした。 もう先代に、NGを出される心配のない、TC24を積むのにふさわしいベース車両を引っさげてのオーダーだ。 それから2年、オーナーは念願のTC24-B1Zを手にする。製造数がちょうど20基目にあたる、記念すべきユニットだった。 ボアφ88mm×ストローク86mmの3.1L。それが、この真紅のハコスカに搭載したTC24の排気量。標準仕様の3.2Lとハイレスポンス仕様の3.0Lのちょうど中間あたりの仕様。ボアをφ89mmではなくφ88mmとした理由を、エンジンを製作したOS技研の富松拓也チーフエンジニアに聞いてみた。 「オーナーのクルマとの付き合い方を見越したボア設定です。距離を走るオーナーのために、オーバーホールできるようマージンを確保しています」 セットアップされているキャブレターは、換装前のエンジンに装着されていたウエーバー48DCOEで、この流用も富松さんのすすめだ。それがオーナーのニーズにベストマッチ。TC24を搭載してからも、これまでのように普通にハコスカに乗りたいと考えていただけに、扱いやすく、理想的なフィーリングだった。 「名機TC24のパフォーマンスを、快適仕様のハコスカで楽しむ」というのがオーナーがエンジンオーダー時から思い描いていたモディファイプラン。「快適仕様なんていうと、先代の岡崎さんや硬派なTCファンのみんなに怒られそう。自分は自分の思うように、このエンジンを楽しみたい」とオーナーは語る。
【関連記事】
- 「これはL型エンジンの音やない。俺もこんなクルマを作りたい!」新世代チューナーが手掛けた超進化系L型3.0Lチューン|進化形L型エンジンチューンに迫る!
- 当初は気に入っていたとは言えなかった。1台のハコスカGTと向き合い、心通わせる場所|旧車の棲むガレージ
- エンジンブローから丸5年。ハコスカR再始動の兆しは翼端板状の特殊鋼材の入手から|PROJECT 最強ハコスカGT-R Vol.1
- 結婚を機に自宅を新築、ハコスカも到着! 併せてガレージを建てて旧車ライフを楽しむつもりだったが、悪夢のような単身赴任が【1】ヒーローの棲むガレージ
- 3Lフルチューンの240ZG! インジェクション仕様で速さと乗りやすさを両立した快速フェアレディZ|進化形L型エンジンチューンに迫る!