【阪神】才木浩人「めっちゃ悔しい~」あと5人ノーノー逃すも29回1/3連続無失点 両リーグ単独トップ7勝目
◆日本生命セ・パ交流戦 阪神3-0西武(9日・甲子園) 阪神・才木浩人投手(25)が8回1安打無失点で両リーグ単独トップの7勝目を挙げた。7回まで2四球のみで1安打も許さない快投。8回1死から山野辺にフェンス直撃の三塁打を浴びてノーヒットノーランの快挙こそ逃したが、9三振を積み上げた奪三振もセ・リーグトップタイに浮上し、セの投手でただ一人、4冠全部門でリーグ3傑に入る快進撃だ。 雨上がりの聖地でひときわ輝いた。8回2死一、三塁。才木は奥村を二飛に打ち取り、小さく拳を握った。112球で最終回のマウンドは救援に譲ったが、8回1安打無失点でハーラートップの7勝目。「変化球もいい。直球が(今季)一番良かった」。チームは今季11度目の完封勝利で、同2度目の同一カード3連勝。2位再浮上の立役者は紛れもなく、25歳の右腕だった。 7回まで無安打。2四球こそ与えたがつけいる隙のない投球で、「(ノーヒットノーランを)意識しない方が難しかった」という。8回、先頭の源田に3球目を投じた直後に右太もも、ふくらはぎがつり、約5分間ベンチ裏に下がって治療した。再び上がったマウンドで源田は中飛に打ち取ったものの、続く山野辺の右翼フェンス直撃の三塁打で偉業はならず。「めっちゃ悔しい~」と本音が漏れた。 7連勝で自己最長を更新し、62奪三振はリーグトップタイ。5月19日のヤクルト戦(甲子園)の2回以降、29回1/3連続無失点と全く隙がない。防御率も2位に浮上し、勝率も3位。今季才木が先発する日曜日はチームも9勝2敗と、断トツの貯金7を稼ぐ。「完全(試合)いくかなと思ってた」と予言こそ的中しなかった岡田監督も「一皮むけたのでは」との問いには「いいやもう、ずーっと(好投)よ。そんなむける皮もないやろ」と賛辞を並べた。 才木には夢がある。「いつかは日の丸を背負いたい」。侍ジャパンが連覇を達成した09年の第2回WBCの記憶が脳裏に深く刻まれているが、野球人生で日本代表は未経験。今秋には第3回プレミア12が控えており、「シーズンで結果を残して選ばれたい」と熱望する。7日には侍ジャパン・井端監督が甲子園を訪れ、「十分戦力になる投手」と太鼓判を押した。昨年3月、侍ジャパンの強化試合で片膝をついた大谷翔平に右手一本で本塁打を運ばれてから約1年3か月。ぼんやりと描いた夢が、驚異的なペースで輪郭を帯びてきた。(直川 響) 〇…鉄道会社を親会社とする両軍の対決はこの日、「プロ野球唯一の鉄道対決」をテーマに実施され、入場者全員に「駅員キャップ」がプレゼントされた。スタメンはバックスクリーン後方の大型ビジョンに駅員コスプレ風の選手画像を映しながら発表。また、この日は「Family with Tigers Day」と銘打たれ、選手らは水色の限定ユニホームで戦った。
報知新聞社