英国債が下げ拡大、予算案への懸念続く-英中銀利下げ見通し後退
(ブルームバーグ): 31日の欧州債市場では英国債が急落し、今後数年間の大幅な借り入れと財政刺激策を労働党政権が明らかにして以降の下げを拡大した。
英国債は短期物の下げがとりわけ大きい。リーブス財務相が30日に発表した予算案はインフレ的だと見なす投資家が多く、イングランド銀行(英中央銀行)が金融政策を引き締め気味に保つことを市場が織り込んだ。
この下落は2年前に当時のトラス政権が財源の裏付けがない大型減税を発表した際の債券市場の混乱とは比較にならないが、リーブス財務相が市場を味方につけるには微妙なかじ取りが求められることを浮き彫りにした。労働党は財政健全化を旗印に掲げていたが、その予算案に債券市場は利回り上昇で反応している。
みずほインターナショナルのストラテジスト、エブリン・ゴメスリヒティ氏は、「予算案がどの程度インフレを引き起こし得るのか、どれほど緩和的なのか、そして英中銀の利下げ路線をどれほど変え得るのかを市場参加者はなお懸念していると思う」と述べた。
英2年債利回りは一時11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して4.43%と、6月以来の高水準に達した。10年債利回りは9bp上昇し、約1年ぶりの4.44%を付けた。
短期金融市場が織り込む2025年末までの英中銀の利下げは0.25ポイントが4回に減少。先週末の10月25日には5回と見込まれていた。
原題:UK Bonds Fall With Market Still on Edge After Reeves’ Budget(抜粋)
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James Hirai