「ここならナンパされる心配もないから」「外国人と日本人が肩を組みながら雑談」…若者の《渋谷ハロウィーン離れ》が進む一方で「新宿二丁目」に人々が集まる「意外な理由」
警察官に仮装した女性に「俺のこと逮捕してくれませんか?」
関西出身のこの男性は、一昨年のハロウィーンは大阪・難波で、ホラー映画「チャイルド・プレイ」のチャッキーの仮装をして参加。さらに去年は渋谷で、ディズニー映画「リメンバー・ミー」のヘクターの仮装をして参加したという大のお祭り好き。このような厳しい状況でも、まだ秘策はあると取材班に語る。 「去年の渋谷ハロウィンも渋くて、路上でナンパするのが厳しい感じだったんで道玄坂にあるクラブに行ったんすよ。そしたら仮装してるってだけで女の子からのウケもよくて、その日にお持ち帰り成功したんで、今回もその手を使おうかなって感じっす(笑)。もう少し見てダメそうだったらクラブに場所を移そうと思ってます」(同上) 事実、この日も道玄坂周辺を散策していると、クラブが立ち並ぶ路地は、多くの日本人の若者たちで混雑していた。そのなかには警察官のコスプレをしている女性もいて、すれ違う男性に「お姉さん、俺のこと逮捕してくれませんか?」と声をかけられていた。 クラブの看板に目を向けると、ハロウィーン限定のイベントを実施している店なども多く、次々に若者たちが吸い込まれていく。クラブの行列に並んでいた男性グループの一人は、こう語る。 「正直な話、渋ハロとかもうオワコンっすよ(笑)。もう仮装してるのは外国人くらいしかいないし、同世代の子と遊びたかったらクラブに行くしかないんです。なんというか説明しづらいんだけど、こういうイベントがある日って”かかってる”女の子も多いんで、けっこう狙い目なんすよ」
新宿二丁目は仮装してる人々で大盛況
その一方で、渋谷とは対照的に異常な盛り上がりを見せていたのが、新宿二丁目エリアだ。時刻は深夜の2時すぎ。取材班が現地を訪れると、路上には溢れんばかりの人の姿が。マリオやヨッシーといった有名なキャラクターのほか、アニメ「魔法少女まどか★マギカ」の鹿目まどかなど、様々な仮装をしている人びとが、道端で酒を飲み交わしているのだ。 なぜ新宿二丁目では、ここまでハロウィーンが盛り上がっているのか。その理由を、ポケモンのシャワーズのコスプレをする、現役のドラァグクイーンの男性はこう語る。 「新宿二丁目は私たちみたいなドラァグクイーンの聖地だからね。性別に関係なく自分をさらけ出せる場所だから、ハロウィーンではみんなで盛り上がろうとするし、派手な格好をする人が多いんだと思う」 その言葉どおり、取材班が路地裏に足を踏み入れると、人が通る隙間がないほど混雑していた。そこでは外国人と日本人が肩を組みながら雑談したり、酒を飲み交わしたりと、グローバルな交流が繰り広げられていた。