「やる気やモチベーション」に頼らない!仕事をやり切るための4つの秘訣
To-Doアプリやタスク管理トラッカーなど、人気の高い生産性向上ツールは、1日のスケジュールを立て、抱えているプロジェクトを整理するのにとても役立ちます。 それでも、「どうにもやる気が出ない」という日は、どうしてもあるもの。 こうした気分は、先延ばしや注意散漫の温床になります。そうなったら最後、どんなに便利なツールを使っていても、物事は前に進みません。 でも幸い、意志の力だけに頼らずに、こうした状況を抜け出せる方法はあるのです。
「最後までやり遂げたい」という人間の性質を生かす
人間には、「最後までやり遂げる」ことを好む性質があります。 こう語るのは、スイス連邦工科大学(ETH)チューリッヒ校シンガポール拠点(Singapore ETH Centre)のトップを務めるManu Kapur氏です。 『Productive Failure: Unlocking Deeper Learning Through the Science of Failing (生産的な失敗:失敗の科学を通じて、より深い学びへの扉を開く方法)』という著書を持つKapur氏は、さらにこう説明します。 私たち人間は、はじめたことを最後までやり遂げたいと思うものです。実際、労力を注ぎ込んできた物事を完成させると、人は強烈な高揚感を覚えます。 つまり、行動へのシフトを促したいなら、人間の脳に備わっている「達成欲」を活用すればいいわけです。 Kapur氏は、人のやる気を促す4つの「モチベーションハック」を教えてくれました。タスクに着手し、モチベーションを保つのに役立つこれらのテクニックは、目標達成に向かう人をしっかりとサポートしてくれるはずです。
その1:「小さな目標」からはじめる
大きなプロジェクトを前にすると、人は圧倒されてしまいがちです。 それで気が重くなることもあるでしょう。ゆえに、モチベーションを見出すための第1のステップは、まず何より「手をつける」こと。 Kapur氏は、メインのエクササイズとして水泳をしていますが、どうしても疲れて泳ぐ気になれない日もあるそうです。「こうした時は、本当に気が重くなります」と、同氏は認めます。 こんなときは、プールに行くこと自体をサボるのではなく、「1往復だけ泳いでみよう」と自分に言い聞かせるそうです。 本当に1往復だけで終わっても、私は満足です。それが自分に課した目標だからです。でも実際は、1往復を泳ぎ終えたところでプールを出ることはまずありません。「1往復だけでも満足だ」と考えることが、私にとってはモチベーションハックになったわけです。 このテクニックをタスクの実行に応用するなら、「5分だけこのプロジェクトに取り組んでみよう」と自分に言い聞かせてから、タイマーをセットするといいでしょう。 あるいは、長いレポートを読む必要があるのなら、突破口を開くために、「最初の1ページを読む」と決めてみてください。 こうした短いタスクを達成すれば、脳が仕事モードにシフトしているので、もっと続けやすく感じられているはずです。 このように、「はじめること自体の問題」は、モチベーションハックを利用しやすい部分だ、とKapur氏は解説します。