【ハイテク機能を搭載した帰国子女】ホンダCR-V e:FCEV試乗記
6世代目のCR-Vは米国ホンダPMCで製造
ホンダのミドルサイズSUV、CR-Vが6代目にフルモデルチェンジされて日本に帰ってきた。「帰ってきた」と表したのは、今回の新型CR-Vは米国オハイオ州メアリズビルにある、ホンダの四輪車生産拠点であるPMC(パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター)で製造される、いわば『帰国子女』だから。しかも、単なるSUVではなく『e:FCEV(イーエフシーイーブイと読む)』と呼ばれるパワートレインを採用してきた。 【写真】『シゴデキ帰国子女』ホンダCR-V e:FCEVの画像はこちら (40枚) e:FCEVとは、簡単にいってしまえばプラグイン機構を備えたFCEV(燃料電池車電気自動車)だ。ホンダは1990年代後半からFCEVの研究開発を進め、1998年に最初のプロトタイプを発表。以後、2008年には世界初の量産FC(燃料電池)専用設計車『FCXクラリティ』、2016年には進化した『クラリティ・フューエルセル』を発売。今回のCR-V e:FCEVでは、GMと共同開発した第5世代のFCを搭載している。 FCEVとは、燃料の水素を大気中の酸素と化学反応させて電気を発生し、その電力でモーターを駆動して走るEV(電気自動車)だ。e:FCEVでは、それに17.7kWhの駆動用バッテリーを組み合わせ、自宅や商業施設などで充電が可能なプラグイン機構を備えている。ただし充電は普通充電のみとなる。 つまり、使い勝手のいいSUVで、自宅や都会の商業施設ではプラグインを活用して充電してバッテリーに電気を蓄え、遠出のときは充電より時間の短い3分チャージで水素を充填し、ロングドライブや外部給電を利用してのアクティビティも楽しめる。そんな、FCEVとPHEVのイイトコ取りといったクルマが、このCR-V e:FCEVなのだ。 バッテリーの電力だけで約61km、水素だけでも約621km可能というから、うまく使い分ければ市街地ユースから長距離ツーリングまで、残りの燃料を気にしないで楽しむことができるだろう。