日章学園、粘り強さ見せた 千葉・習志野に敗れる 七・九回、意地の反撃 /宮崎
<センバツ甲子園> 第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)で24日、初出場の日章学園(宮崎)は夏の甲子園で2回の優勝経験がある習志野(千葉)に2-8で敗れ、初戦突破はかなわなかった。序盤に突き放されても持ち前の粘り強さを発揮し、後半にセンバツ初得点をあげた。試合終了後には3万9000人の大観衆で埋まったスタンドから「よくやった。夏に待ってるぞー!」とねぎらう声が飛んだ。【田崎春菜、川村咲平】 【熱闘センバツ全31試合の写真特集】 ▽1回戦 習志野 700100000=8 000000200=2 日章学園 ◇一回7点失い… 一回表守備が乱れ、先頭打者の出塁を許すとその後も失策などが続いた。先発したエースの石嶋留衣投手(3年)は「変化球が狙ったところに入らなかった」と高めに浮いた球を狙われ、この回打者一巡の猛攻で7点を追う展開に。反撃の機会をうかがうが、相手の左腕・山内翔太投手(2年)を中心にテンポの良い守りに六回まで1安打無得点で抑え込まれる。 動いたのは七回裏、3番の森永光洋選手(3年)が出塁すると、2死二塁で石嶋投手が右翼線へ適時二塁打を放ち初得点、続く長田直樹選手(3年)も「絶対打線をつなぐ」とバットを思いきり振り抜いた適時二塁打でさらに1点。保護者や在校生が駆けつけたアルプスは大盛り上がり。石嶋投手の父謙一さん(45)は「最初は守備もばたばたして心配だったがここから反撃してほしい」と応援の声に力を込めた。 粘り強さは最終回にも発揮された。九回2死、代打の倉永歩武選手(3年)、高山祐揮選手(3年)が意地の連続安打を放ち一、二塁としたが、反撃はここまでだった。森永選手の兄でOBの隼平さん(18)は「甲子園に連れてきてくれてありがとうと言いたい。この経験を生かして夏にリベンジを果たしてほしい」と後輩たちにエールを送った。 ……………………………………………………………………………………………………… ■青春譜 ◇白球に込めた願い、仲間に託す 前田晴也さん=記録員(3年) 日章学園のベンチでは「一戦必勝」「みんななら絶対にセンバツに行く力がある」と赤と黒のペンで書き込まれた真新しいボールが試合を見守った。昨夏から記録員を務めている前田晴也さん(3年)が「甲子園に行けるように」と願いを込めて書いたものだ。昨年10月、練習中に頭にボールが当たり九州大会には行けず、ボールにメッセージを書き病院で応援した。 九州大会で、チームはベンチに置かれたそのボールを見ながら試合を勝ち進み、その後センバツ出場の切符を手にした。福山凜主将(3年)は「試合のたびに(前田さんを)思い出し、絶対甲子園に行くぞと気を引き締めていた」と話す。 この日もベンチで記録を取っていた前田さんは「仲間が念願の甲子園でプレーしている姿に感動した。次は自分もトレーニングを重ね、夢の舞台でプレーしたい」と決意を新たにした。【田崎春菜】