あなたの親は片足で立つことができる? 高齢者の転倒事故がいちばん起きやすい家のなかのある場所とは
玄関、脱衣所にはイスを置く
「片足で立ってみて」と、親にお願いしてみてください。ふらつきはないでしょうか?足腰が弱くなると、片足で重心を取るのが難しくなり、転ぶ原因になります。 日常生活の中には片足立ちになる瞬間があります。たとえば靴を脱ぐとき。じつは玄関は転倒事故が起きやすい場所です。外出から戻ってきて気が緩むことも手伝って、靴を脱いでいる途中で転ぶケースが少なくありません。 座った状態で靴を履いたり脱いだりすれば転倒は避けられます。玄関にはぜひイスを置いてください。座面の下に収納スペースがあるスツールでもいいでしょう。もしも玄関が狭く、イスを置きっぱなしにすると邪魔になるようであれば、折りたたみ式のイスが便利です。 着替えでズボンや下着を脱ぐときも片足立ちになります。浴室の脱衣所にもイスがあったほうがいいでしょう。そして、着替えるときは「安定した姿勢で座る」ことが習慣になるよう、親に促してください。
浴室用イスは座面の高いものに
どこの家庭でも浴室にはイスが置いてあると思います。でも、その高さを考慮していますか?銭湯のイスと同じくらいのサイズでは、高齢者には低すぎます。玄関や脱衣所のイスにも当てはまりますが、高齢者にとって低いイスは、立ち上がるときに膝や腰に大きな負担がかかります。 親の安全を思えば、いますぐ座面の高い浴室用のイスに買い替えましょう。親が変形性膝関節症などで要支援・要介護の認定を受けるほど足腰が弱っているなら、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してアドバイスを受けてください。 場合によっては、病院やデイサービスなどの浴室でも使用されている介護用品を推奨されるかもしれません。介護用の入浴用イスは座面が高く、作りもしっかりしていて安定しています。 背もたれや肘掛けが付いたものや、高さが調節できるもの、またコンパクトに折りたためるタイプなど種類も豊富。買うとなれば数万円はしますが、介護保険が適用されれば1~3割の負担で購入することができます。