【社説】日本国民の厳しい批判受けた「安倍政治」、韓日にも新たなビジョンが必要
日本の石破茂首相率いる自民党と公明党の連立政権が、27日に行われた衆院選で惨敗し、過半数割れした。第1党の自民党政権が続く可能性は依然として高いが、政権交代の可能性も完全には排除できなくなった。これを通じて確認されたのは、日本国民が「安倍政治」の弊害を克服する徹底した改革を望んでいるという事実だ。日本の新指導部は、国内の政治改革だけでなく、韓日関係でも「安倍路線」を越える新たなビジョンを提示することを望む。 石破首相は28日、敗北直後の最初の記者会見で「国民から極めて厳しい審判を受けた」とし、「今後、根本的な政治改革を行っていく」と誓った。この言葉通り、今回の選挙の主な争点は、7年8カ月間続いた安倍晋三長期政権が残した弊害を払拭するための政治改革だった。日本国民の怒りが爆発したのは、自民党内の「安倍派」を中心とする主要政治家たちが政治資金の募金行事をした後、「政治資金収支報告書」をきちんと作成しない方法で「裏金」を作ったという事実だ。これを機に「安倍政治」と決別しなければならないという声が高まった。自民党が惨敗したのは、このような国民的要求に応えられなかったためだ。 安倍政治の弊害は日本社会のいたるところに蓄積されている。代表的な例が「集団的自衛権」の限定的な行使を可能にした安保法制問題だ。安倍首相は2014年7月、立憲民主主義を揺るがすという批判を無視してまで、強引に憲法の解釈を変更した。また、野党の批判が強まると、2015年9月の参議院では物理力を動員して法案を「強行採決」で可決させた。その結果、日本が大切にしてきた平和憲法の精神が大きく損なわれた。同じ時期に発表した安倍談話では「先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と宣言した。その後、日本は韓国に「過去は忘れて安保協力の充実を図る」という安倍路線を受け入れることを重ねて求めてきた。 韓日両国政府は来年の国交正常化60年を控え「韓日パートナーシップ2.0宣言」を検討しているという。1998年の初めての宣言(金大中-小渕宣言)の基本精神が日本の平和主義と反省的歴史認識だった一方、このまま行けば、新宣言の基調は安倍路線になる可能性が高い。これでは韓日関係の未来を描くことはできない。「歴史問題に対する真の反省」だけが両国友好の持続可能な土台になりうる。 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )