衆院選から見えた日本維新の会の課題と次の一手とは?
維新のネット戦略 足りなかったものは?
「幹事長ノート」で藤田氏は「『ネット地盤』を通じて訴求できた政党が躍進」と総括しています。 最新のSNS戦略について藤田氏は「個別にターゲットとクリエイティブ(メッセージ)を合わせていく」「自分たちが発信するだけじゃなくてほかの人にも発信してもらえる」という戦略が必要だったとコメント。 それに対し維新の戦略について「古い手法にとらわれすぎていた」と振り返りました。 実際に代表選以降、吉村洋文氏が単独で出演するYouTube動画が公開されるなど総括を踏まえた新しい試みをスタートさせているように見受けられます。 「ファンミーティング的なYouTubeライブは特に若い政治家の必須ツールになる」と藤田氏。「暇になるんでやろうかな。前幹事長の思いぶっちゃけます、みたいな」とコメントし笑いを誘いました。
改革政党のイメージは崩れたのか?
これまで政治の腐敗に切り込む改革政党のイメージがあった維新ですが、今回の衆院選ではそのイメージがうまく伝わらなかった印象がありました。 その点について問うと、自民党との政治改革の議論や交渉については反省点があると藤田氏。「維新のポジションが既存政党として見られたというのは非常に大きかった」と振り返りました。 もう一つ、藤田氏が言及したのは公約がわかりにくかったのではないかという点です。今回躍進した国民民主党は関心の高い国民生活に絞って訴求していました。 維新は政治改革と国民生活の両方を訴求したことでかえってぼやけてしまったのではないか、と藤田氏は分析。 「僕はこの結果を見て(中略)国民生活を良くするんだってことにコミットすべきなんじゃないかなと」とコメントし、メッセージの発信の仕方について党内で議論すべき課題であるとしました。
「政党を経営」した3年間を振り返る
幹事長として3年間で最も注力したことについて「大阪以外の地域を強くすること」と藤田氏。党本部機能の強化もその一環であると説明しました。 また、藤田氏は「政党を経営する」というコンセプトのもと、中期経営計画を策定・発表しました。参院選、統一地方選挙、衆院選と3つの目標が設定されていましたが1番のゴールは今回の衆院選だったとのこと。 衆院選では残念ながら目標を達成することはできませんでしたが、藤田氏は「戦略自体は、またはそこで汗をかいてきてくださった皆さんのアクションは間違ってなかったという自負はあります」と振り返りました。 票を伸ばしきれなかった、計画を達成できなかった原因として藤田氏は期待感不足を挙げます。与党でもない、野党第一党の立憲民主党でもない第三の選択肢に、維新がなりきれなかったと分析しました。 藤田氏「メッセージの出し方や僕らの普段の政党としての信頼がまだまだ追いつかなかったっていうことかなと思ってます」 新執行部については、これまで構築した仕組みを生かしながら改善すべき部分は大きく舵をきって変えることができると藤田氏。また、執行部が入れ替わることで党の人材が増え層が厚みを増し、政権獲得に近づくのでは、と期待を寄せました。 藤田氏「ぜひ新執行部の皆さんは思い切ってやってほしいし、僕も支えたいと思います」 最後に、幹事長を退任した今後について問うと、衆院選では地元にほとんどいられなかった点に言及し「地元に根付いて心を寄せたい」とコメント。 また、日々決済に追われる幹事長は目線が短期的になりがちであるとし、長期的な目線をもって実力アップに努めたいとしめくくりました。