「タワマン地獄」「ショッピングモール地獄」もあるけれど…33歳「地方のウーバー配達員」が明かす〈全配達員共通の悩み〉
地方で稼働する配達員にとってタワマン配達はむしろラッキー。しかし全力で敬遠しがちな配送先もある……。都心と地方の配達員事情の違いについては前編記事〈「タワマン地獄」よりもっと〈キツい場所〉がある…33歳「地方のウーバー配達員」が明かす「さらなる地獄」〉で紹介した。 【マンガ】「憧れのタワマン生活」が一転…!残酷すぎる「格差の現実」 本記事では引き続き、現役ウーバー配達員として兵庫県で活動する佐藤大輝氏(33歳・配達回数6000回以上)に、「ウーバー配達員の切実な悩み」について話を聞かせてもらう。
地方の配達員が苦しむ「ショッピングモール地獄」
地方にはその余りある土地をいかした大型ショッピングモールが多い。だからこそ、地方で稼働する配達員にとって、ショッピングモールでの受け取りは厄介なシチュエーションの一つだ。 ※僕が最後にモールへ訪問したのは1年以上前になる。もしかしたら現在は諸々の課題が改善されているかもしれない……という前提でご紹介したい。 まず最初の問題として、配達員は初めて訪れるショッピングモールの場合、いったいどの場所に店舗があるのかが分からない。よって案内板を確認して、キョロキョロしながら人混みの中を進み、軽く迷子になりながらやっとこさ店舗を見つける。 そして商品を受け取り後、外に出るためそこそこの距離を歩き、自転車にまたがりお客様のところへ向かう。受け取りまでに時間がかかる分、どうしても配送効率が悪く感じてしまう。
モール周辺の配達を避けるようになったワケ
ショッピングモール内の店舗によっては「受け取り方法」に指定があるケースもあった。注文依頼があった際、ウーバーのアプリ画面にこのような指示が表示されるのだ。 配達員の方はモール内には入らないでください。業者用の搬入口で商品の受け渡しを行います。搬入口に着いたら電話にて店舗へ知らせてください。店舗のスタッフが商品を届けに行きます。スタッフが来るまで搬入口でお待ちください なお、この通話代は配達員の個人負担だ。1回の配達で300~500円前後の報酬を得ている僕たちにとって、電話代が引かれるとはつまり「あなたの給料の10%近くを店側の都合でカットします」と言われているのに等しい。これを強要されるのは配達員の立場からするとストレスが溜まる。 電話した後に店員さんがすぐに現れないことも多々あり、だんだんと僕はショッピングモール周辺での配達を避けるようになった。 ちなみにお客様の中にも電話を強要してくる人が稀にいる。お届け先情報の備考欄に「到着したら電話で知らせてください」と記載されているケースがあるのだ。なぜ日本人はこれほど電話が好きなんだろうか……。僕はストレス解消のため、ホリエモンこと堀江貴文さんが歌う「NO TELEPHONE」という曲をたまに聞いているくらいだ。