「タワマン地獄」「ショッピングモール地獄」もあるけれど…33歳「地方のウーバー配達員」が明かす〈全配達員共通の悩み〉
全国の配達員共通の悩みは「雨」
タワマン配達やショッピングモール配達など、地方と都心によって配達員の悩みは違ってくる。しかし、全国共通での悩みが存在するのもまた事実だろう。 配達員の天敵は……、天気。特に空が大粒の涙を流している日は厄介だ。マンホールでのスリップ事故。ブレーキの利きが悪くなるため坂道も要注意。レインコートの帽子のせいで視界も悪い。スマホの液晶画面が濡れるせいで意図せぬ操作をすることもある。充電も不可。僕はスマホが濡れた状態で充電しようとした結果、充電コードから黒い煙を発生させたことがある。 なお自転車配達員にとって、夏場のレインコートは無意味だ。なぜなら雨水を防ぐことができても、暑さによる汗でレインコートの内側からビチャビチャになるから。ちなみにレインコートは消耗品のため、使えば使うほど防水機能が弱くなっていく。今僕が持っているレインコートは小雨なら30分。大雨なら5分で雨水が染み込んでくる。今日にでも買い替えたいが、配達用の備品は自費購入のためどうしても躊躇いが生じる。 仮に新品のレインコートを手に入れたとして、手の袖口や頭部などから雨水は侵入してくる。どう頑張ったところで濡れるし、髪はボサボサ。みっともない容姿になることは避けられない。雨の日の配達に限って、僕は対面ではなく置き配であることを切に願っている。 僕の願いはもう一つある。紙袋ではなくビニール袋での受け渡しをお願いしたいのだ。過去に僕はバックから料理を取り出そうとした瞬間、紙袋の底が抜けたことがあった。紙袋は水に弱い。知らず知らずの内、配達用の四角いバックに雨水が侵入すると惨事が起きる。 雨の日だろうと関係なく、紙袋で商品を渡してくる飲食店(大手チェーン店を含む)は驚くほど多い。僕はその都度「こういう事情があって、ビニール袋をもらっていいですか」とお願いしている。ほとんどの方は快く対応してくれるが、キョトンしている人(特に若い人に多い。紙袋の弱さを知らないのだろう)や、めんどくさそうに応対する人もいる。僕たち配達員は目から汗を流しながら、今日もウーバーを頑張っている。
佐藤 大輝(ライター)