「夜間頻尿」の治し方はご存じですか? 原因や放置するリスクも医師が解説!
夜間、排尿のために頻繁に起きるために、寝不足だったり日中の眠気に悩まされたりしている人もいるのではないでしょうか。一体、どのように夜間頻尿を対処したらいいのでしょうか。医療機関での治療法も気になるところです。「成増まちかど泌尿器科」の永田先生に解説していただきました。 【イラスト解説】夜だけ「頻尿」で目覚める人必見! 原因・セルフケア方法
なぜ、夜間頻尿が起きるのか?
編集部: まず、夜間頻尿について教えてください。 永田先生: 夜間頻尿とは、夜眠っているとき、2回以上排尿のために起きなければならない状態のことです。加齢が進むほど夜間頻尿のリスクが高くなり、高齢化が進む現代においては、非常に多くの人が夜間頻尿で悩んでいます。 編集部: なぜ、夜間頻尿が起きるのですか? 永田先生: 夜間頻尿の原因にはいくつかあり、その1つに「膀胱容量が減少する」ということがあります。膀胱容量が減少すると、わずかな量しか膀胱に溜めることができなくなり、頻繁に尿意を感じるようになります。 編集部: なぜ、膀胱容量が減少するのですか? 永田先生: 減少の原因としては、「過活動膀胱」や「前立腺肥大症」が考えられます。過活動膀胱とは加齢などを原因とし、膀胱がわずかな刺激でも過敏に反応してしまう症状を指します。他方、前立腺肥大症とは男性特有の疾患で、前立腺という臓器が肥大することで尿道が圧迫され、膀胱にも負担がかかり、膀胱機能が衰えることを言います。 編集部: そのほか、夜間頻尿の原因にはどのようなものがありますか? 永田先生: 眠りが浅くてすぐに目が覚めてしまう「睡眠障害」が原因となることもあります。そのほか、「内服薬や疾患の影響」「寝る前に水分を過剰摂取している」なども夜間頻尿の原因として考えられます。
夜間頻尿の対処法
編集部: 夜間頻尿の原因をある程度、自分で見分けることができるのですか? 永田先生: 夜間にトイレへ行ったとき、毎回十分な尿量がある場合には尿量が増えていることが原因で、毎回の尿量がそれほど多くない場合には膀胱容量の減少が原因と考えられます。 編集部: 夜間頻尿を放置するとどうなりますか? 永田先生: 夜間に尿量が増える夜間多尿には、糖尿病や高血圧、心疾患、腎機能障害などの疾患が関係しているかもしれません。これらの疾患はできるだけ早く、適切な治療をおこなわなければ命のリスクになることもあります。また、夜間頻尿のために昼間眠気がひどかったり、日中のパフォーマンスに影響が及んだりすることもあります。困っていることがあれば、早めに泌尿器科を受診しましょう。 編集部: 泌尿器科ではどのような治療をおこなうのですか? 永田先生: 原因に即した治療をおこないます。例えば、夜眠る前にたくさん水分を摂取している人は、水分の摂取量を控えるように促します。また、日頃から塩分の摂取量が多いことも夜間頻尿の原因になるので、その場合は食事の改善が必要になります。 編集部: そのほかには? 永田先生: 睡眠障害によって夜間頻尿が起きている場合には、睡眠の質を改善するために生活習慣を見直すことが大切です。生活リズムを整える、運動習慣を身につけるなどを心がけましょう。