「夜間頻尿」の治し方はご存じですか? 原因や放置するリスクも医師が解説!
夜間頻尿は泌尿器科で治療できる
編集部: 薬剤を使うこともあるのですか? 永田先生: はい。例えば、夜間の尿量が多い人には、夜間の尿量を抑える「デスモプレシン」という薬を使うことがあります。 編集部: そのほかには、どのような薬を使いますか? 永田先生: 過活動膀胱には「抗コリン薬」や「β3作動薬」、前立腺肥大症には「α1遮断薬」「PDE5阻害薬」「5α還元酵素阻害薬」などの薬から、症状に合わせて使用する薬剤を選択します。 編集部: 夜間頻尿は治療することができるのですね。 永田先生: そうです。夜間頻尿は高齢になるほど多く発症する症状ですが、放置すると夜、トイレに起きたときに転倒して骨折をしたり、寝たきりになったりして生活の質を大きく低下させます。また、夜間頻尿のない高齢者と比べて、夜間頻尿のある高齢者は死亡率が高まることもわかっています。生活習慣の見直しをおこないながら必要に応じて泌尿器科を受診し、きちんと治療するようにしましょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 永田先生: 夜間頻尿は生活習慣が関わっていることもあり、そのような場合には生活を見直すことで改善が期待できます。しかし、ときには何らかの疾患の初期症状として出現していることもあります。このような場合には、早期発見が重要。恥ずかしがらず、ぜひ泌尿器科へご相談ください。
編集部まとめ
夜間頻尿は「眠りが浅くなる」「何度もトイレに目が覚めて、日中に眠くなる」といった、睡眠の問題だけにとどまりません。場合によっては、何らかの疾患のサインかもしれません。いずれにしても、夜間頻尿で悩んでいる場合には、早めに泌尿器科へ相談を。原因を確認し、適切な治療をおこなうようにしましょう。 [この記事は、メディカルドック医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
監修医師:
永田 卓士 先生(成増まちかど泌尿器科) 熊本大学医学部卒業。その後、熊本赤十字病院、日本赤十字社医療センター、東芝病院(現・東京品川病院)泌尿器科、埼玉社会保険病院(現・埼玉メディカルセンター)泌尿器科、東京都健康長寿医療センター泌尿器科、国立長寿医療研究センター泌尿器科などで経験を積む。2024年、東京都板橋区に「成増まちかど泌尿器科」を開院。