店主自ら狩猟も! 上質なジビエのコースを1万円台で楽しめる、隠れた名店
〈今夜の自腹飯〉
予算内でおいしいものが食べたい! 食材の高騰などで、外食の価格は年々あがっている。一人30,000円以上の寿司やフレンチもどんどん増えているが、毎月行くのは厳しい。デートや仲間の集まりで「おいしいものを食べたいとき」に使える、ハイコスパなお店とは?
川井 潤
フジテレビ「料理の鉄人」企画ブレーン(1993年~99年)。元(株)博報堂DYメディアパートナーズ。現在は、渋谷区CFO(Chief Food Officer)として渋谷区にあるおいしい店の啓蒙・誘致、区独自の商品プロデュースほか食品関連企業、IT会社、広告代理店などのアドバイザーを務める。滋賀県彦根市、その他エリア等これまでの企画ノウハウを活かして「地域サポート」も行っている。
新御茶ノ水の路地裏に潜む穴場レストランで国産ジビエのおいしさに開眼!
新御茶ノ水といえば、パリにある有名な学生街になぞらえて「日本のカルチェ・ラタン」と呼ばれるほど、昔から多くの“学び舎”が密集。音楽好きには楽器店が多い街としても知られるが、ここで熱い情熱を持って勤勉にジビエと向き合い、力強くもうっとりするような美食のハーモニーを奏でるレストランがあることは、まだあまり知られていない。
川井さん「最初は料理業界の重鎮にお誘いいただいて伺ったのですが、ジビエを使った料理がとてもおいしいのに、なぜそこまで混んでいないのかと不思議に思いました。本当は秘密にしておきたいけれど(笑)、愛情の深さが伝わるシェフの料理を、おいしいものとジビエが好きな方にぜひ食べていただきたいという気持ちの方が勝ちました。」
店主自らも狩猟へ! 全国から届くジビエを最上の調理法で提供
「冬のご馳走」と聞いて、真っ先にジビエを思い浮かべる人も多いはず。日本人になじみ深い食肉には牛、豚、鶏のほか、最近、市民権を得ている羊などがあるが、実はジビエも大昔から日本人が好んで食べてきた食肉である。獣肉食忌避の時代にイノシシを「牡丹」、鹿を「紅葉」という隠語で呼び、こっそり食べていたというのも、当時の日本人にとっていかに野生肉が旨いものであったかを物語る。一説によれば、うさぎを匹ではなく羽、と数えるのは、4本足の動物を食すことが禁じられた時代に「これは鳥だから食べてもいいのだ」という“言いわけ”の名残だとも言われている。どの時代にも食いしん坊は存在するものだが、自由に美食を謳歌できる現代でも、ジビエは少しハードルが高いと感じている人も少なくはない。食わず嫌い、もしくはなんとなく苦手意識を持っているけれどジビエに興味がある、というのであれば、今目指すべきは新御茶ノ水の「グルマンズ」だ。