東京都でフリースクールに月2万助成も「通わせることすらハードルが高い」不登校の子どもを持つ親の本音 #令和の親
東京都は今年度から不登校の子どもを対象にフリースクール等の費用を月2万円の助成を行います。助成より経済的な負担が軽減される一方で、不登校の子どもを持つ家庭の課題を探りました。 【画像】「14年間で3倍に」東京都内の公立小中学校における不登校の子どもの数の推移
■不登校の数は毎年増え続け 東京都は今年度から、都内の小中学生を対象に、フリースクールの利用料などを月2万円を上限に助成を行うことを決めました。東京都によりますと、都内の公立小中学校の不登校の数は統計を取り始めた平成21年度以降、毎年増えていて、令和4年度では2万6912人が年度内に30日以上、学校に通えていないといいます。
都の教育委員会が、令和5年4~9月に行った不登校の児童・生徒を持つ保護者のべ921人を対象した調査では、フリースクールの利用料の平均は月額4万3004円で、およそ6割が家計への負担感があると回答しています。 助成が始まることで経済的な負担が軽減される一方、フリースクールを利用することも難しいと感じている方もいます。 都内在住で、小学5年生のお子さんを持つ佐藤絵里さん(仮名)。小学3年生の春頃から子どもが登校できない日が増えたといいます。
「2年生の頃から、習い事に行かなくなったことが兆候としてありました。3年生になってからは、図工や音楽などの好きな教科だけ、保健室やスクールカウンセラールーム、放課後など、学校もいろんな方法を示してくれて、五月雨式に登校していたのですが、4年生になるとそれもできない日が増えていきました。『今日は行けるかも、やっぱりダメだった』という日々の中、食べていない給食費が毎月口座から引き落とされるのは、悲しかったですね。
支援が始まるのはありがたいことですが、利用するかはわかりません。大人は、人とのかかわりが減ったり、勉強が遅れたりすることを心配して、学校がダメならフリースクールと考えます。ですが、うちの子の場合、いじめにあったわけでも、勉強についていけない訳でもなく、学校は“嫌だけどやっぱり行きたい場所”という存在のようなんです。 フリースクールの資料も見せて誘うのですが、いくら励ましても気持ちを向けてはくれません。フリースクールに行くことで自分が落伍者になるようなイメージもあるようでした」