「JTB」が“旅行会社”じゃなくなった!?常識にとらわれない新戦略とは
感動&便利な旅が続々~これまでにない京都の楽しみ方
学問の神様が祀られる京都市の「北野天満宮」。まだ人の気配のない朝の境内に続々と人が集まってくる。現れたのは朝日に輝く美しい紅葉の空間だ。300本を超えるモミジの絶景で知られる北野天満宮の「もみじ苑」(12月15日まで公開)。日中は大行列の人気スポットに早朝、貸し切りで入ることができるというJTBの限定ツアーだ(※すでに終了しています)。 【動画】「JTB」が“旅行会社”じゃなくなった!?常識にとらわれない新戦略 JTBが仕掛ける時間外の紅葉ツアーは朝だけではない。紫式部に縁がある「三井寺」。夜6時前、拝観時間が終わった境内で、ツアー客をライトアップの演出が出迎えた。貸し切りなので記念写真に待ち時間もない。 JTBが次々と仕掛ける拝観時間外の紅葉ツアーには狙いがある。 「オーバーツーリズムが観光の課題になっているので、少しでも分散をして、ゆっくりと落ち着いて見ていただければと、時間の分散に取り組んでいます」(京都仕入販売センター・米澤華純) コロナが収束し、多くの海外からの旅行客で観光地がパンクするオーバーツーリズム。地下鉄路線が少ない京都では今、バスが日常の足となっている市民は悲鳴を上げていた。
〇JTBの挑戦1~京都を救う?9分で行けるパワースポット 京都の大混雑を解消するためJTBが挑んでいるのは時間の分散だけではない。 滋賀支店・宮川一朗と京都仕入販売センター・岡村充明がやってきたのは琵琶湖を臨む滋賀県の大津港。地元で船を運航している「琵琶湖汽船」が、JTBと一緒に新たな遊覧船のツアーを準備しているというのだ。狙いは海外からのインバウンドだ。 「大津は京都から2駅で9分。京都の一極集中から新しい人流を作るのに少しでも貢献できたら」(岡村) 電車を使えば京都駅からわずか9分と、大津は京都から近い。琵琶湖を走る観光船で魅力的なツアーを組めば、京都の観光客を琵琶湖エリアに分散させられると考えているのだ。 実際、古くから湖上交通が栄えていた琵琶湖には魅力的な観光資源が豊富にある。例えば琵琶湖の北部にはパワースポットとして知られる「竹生島」。小さな島内には歴史的に価値のある建造物も多く、霊験あらたかな場所として密かに人気を呼んでいる。 JTBは琵琶湖を新たな観光コンテンツとすることで京都の混雑解消を狙っているのだ。 「京都の周りにもたくさんいいところがありますが、あまり知られていない。深く知ってもらうために琵琶湖を盛り上げたい」(岡村)