《「のぞみ」で自由席削減へ》新幹線は「あえて自由席」にこだわる人たちそれぞれの理由 「ふらりと乗りたい」「席ガチャを避けられる」「子連れで迷惑かけたくない」
JR東海とJR西日本は12月3日、2025年春から新幹線「のぞみ」の自由席を現状の3両から2両に減らすと発表した。両社によると、この変更で1列車あたりの普通車指定席が85席増加するという。すでにのぞみはゴールデンウィーク、お盆、年末年始の3大繁忙期について全席指定で運行している。
こうして新幹線の指定席を増やす動きがあるなかで、「あえて自由席の利用にこだわりたい」という人もいる。自由席は席が確約されない分、指定席より530円(通常期)安いというメリットがあるが、単に「節約したい」という理由だけではない事情もあるようだ。“自由席派”の人たちに、話を聞いた。
1人なら迷わず自由席「普通の電車のような感覚でふらりと乗れる」
メーカー勤務の30代男性・Aさんは、「基本的に、一人移動の時は時間や座席に縛られたくない」と言う。 「僕の場合、東海道新幹線には東京駅から乗るので、混雑するシーズン以外で自分だけの移動なら、迷わず自由席ですね。週末や複数人の旅行という場合には、同乗者とバラバラになったり、席が確保できなかったりするリスクを考えて指定席にすることもあります。 指定席がどうしてもイヤというわけではないのですが、指定された電車に乗らないといけないことにプレッシャーを感じてしまうので、自由席の方が気楽というか……」 「行き」だけでなく「帰り」も、Aさんにとってはメリットがあるという。 「自由席だと、帰りたくなったらすぐに帰れるのが魅力です。時期や乗車駅などにもよりますが、スケジュールにあまり縛られたくないので、普通の電車のような感覚でふらりと乗れるので気持ちが楽です。もちろん、指定席を買っておいて自由席に乗ってもいいのでしょうけど、それはそれでお金を損した気持ちになる貧乏性で……」(Aさん)
“席ガチャ”に外れても席を移動できる
自由席のメリットは、その名の通り「自由さ」。IT企業勤務の20代女性・Bさんは、「隣に苦手な人が座っても席を移動できるのがいい」と言う。 「指定席では、隣の人が降りるまでずっとそのままなので、苦手な人がいたらもう最悪。これまでの経験だと、こちらの方まで足を大きく広げる人とか、音をたててお弁当を食べる人とかは嫌ですね。かといって、自分が自由席にいくのはなんだか腹が立つじゃないですか。自由席の場合“席ガチャ”に外れたとしても、席を替えることができる利点があります」(Bさん)