このままではマズイ…。Jリーグで伸び悩む日本の超逸材6人。いまだ出場ゼロの若き才能は?
MF:安部裕葵(あべ・ひろき)
生年月日:1999年1月28日 所属クラブ:浦和レッズ 今季リーグ戦成績:0試合 スペインの名門「バルセロナ」という大きな看板は彼にとって足かせになってしまうのか。 MF安部裕葵は、2017年に鹿島アントラーズに加入。高校時代には全国高校総体で大会優秀選手に選ばれるほどの実力者であり、彼の加入は大きな期待とともに迎えられた。事実、彼はその期待に応えるパフォーマンスを披露する。プロ1年目となる2017シーズンは公式戦17試合に出場し、4ゴール2アシストを記録。2018シーズンにはJリーグの「ベストヤングプレーヤー賞」を受賞し、2019シーズンには背番号10を背負うにまで至った。 さらに同年には、コパ・アメリカに臨む日本代表メンバーに招集。そして大会終了後にスペイン屈指の名門バルセロナのBチーム(バルセロナ・アトレティック)に完全移籍することが決定するという、順風満帆に思えるプロキャリアを歩んでいた。 しかしながら、度重なる怪我によって彼のキャリアは徐々に険しいものになる。2020年冬に大腿二頭筋の怪我を負うと、それが尾を引いて戦列復帰直後も再発を繰り返した。怪我の影響に苦しみ2020年以降まともにプレーすることが出来ないまま、バルセロナとの契約満了を迎えることになってしまっている。 その後、安部は昨夏に浦和レッズへ移籍することを決断した。負傷などもあって、ピッチでその姿を見ることが長い間出来ていなかったが、今年7月に行われた『Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo』のニューカッスル(イングランド)戦でようやく浦和デビューを果たした。これが約1年ぶりとなる実戦復帰。スペインへ渡ってから厳しい時期が続いていたが、ここから再スタートだ。
MF:鈴木冬一(すずき・といち)
生年月日:2000年5月30日 所属クラブ:京都サンガF.C. 今季リーグ戦成績:15試合0ゴール0アシスト 将来を期待された逸材はスイスで磨かれた能力を発揮できず、伸び悩んでいるように見えてしまう。 京都サンガF.CでプレーするMF鈴木冬一は、セレッソ大阪の下部組織在籍時から各世代別代表に招集されるほどの実力者だ。高校2年次にはC大阪のトップチームに2種登録され、U-23チームの一員としてJリーグ初出場を果たしている。 そんな鈴木は高校卒業後に湘南ベルマーレで2年間プレーしたのち、2021年冬にローザンヌ(スイス)へステップアップ。左右両足を遜色なく使うことができ、さらに高いゲームメイク能力を兼ね備える同選手は、右ウイングバック、ボランチ、そして攻撃的MFなど様々なポジションで起用された。22/23シーズンはリーグ戦30試合に出場し、4ゴール3アシストを記録。決して華麗なプレーを連発するタイプの選手ではないが、その堅実なプレーはしっかりと評価されていたと言えるだろう。 スイスで一定の活躍を残した万能型MFは、今冬に湘南時代の恩師である曺貴裁氏が監督を務める京都サンガF.C.へ移籍することを決断した。 久しぶりのJリーグ復帰となった鈴木は今季開幕から2試合連続で先発に名を連ねた。しかし、その後は途中出場やベンチ外の試合が続いている。京都はここまでリーグ戦27試合を消化したが、先発出場はわずか4試合。加入当初はレギュラーとして期待されていたものの、信頼を掴みきれていないのが現状だ。 不調にあえいでいたチームは後半戦で調子を上げており、現在は降格圏を脱している。熾烈な残留争いの中で、鈴木は自身の存在感を発揮することができるだろうか。