このままではマズイ…。Jリーグで伸び悩む日本の超逸材6人。いまだ出場ゼロの若き才能は?
FW:中島大嘉(なかしま・たいか)
生年月日:2002年6月8日 所属クラブ:水戸ホーリーホック ※期限付き移籍中 今季リーグ戦成績:9試合1ゴール0アシスト 大きなポテンシャルを秘めているものの、FW中島大嘉はその才能を完全に開花させることが出来ていない。 国見高校を卒業した中島は、2021年に北海道コンサドーレ札幌に加入した。プロ1年目は公式戦9試合の出場に留まったが、限られたプレータイムの中で4ゴール1アシストとインパクトのある活躍を披露。勢いをそのままに、プロ2年目となる2022年にはリーグ戦15試合に出場して2ゴール、YBCルヴァンカップでは5試合で4ゴールという結果を残し、ブレイクの兆しを見せている。さらにこのシーズンはU-23日本代表として6試合に出場しており、彼にとって充実した1年だったと言えるだろう。 しかしながら、“いまのところ”それが中島のピークになってしまっている。 札幌で迎えたプロ3年目は定位置確保に苦しみ、シーズン後半には名古屋グランパスへの期限付き移籍を決断。だが、その名古屋でもFWキャスパー・ユンカーなど前線の強力なライバルたちに阻まれ、十分な出場機会を得ることは叶わず。最終的にリーグ戦でゴールを奪うことはできなかった。 今季は藤枝MYFC、水戸ホーリーホックとJ2のクラブで武者修行を続けているが、公式戦の先発出場は2試合に留まっている。中島の市場価値は現在17.5万ユーロ(約2800万円)だ。名古屋へ期限付き移籍していた2023年6月から現在まで市場価値は下降を続けており、そろそろ一定の活躍を見せて上昇気流に乗りたいところ。8月より所属している水戸ではリーグデビュー戦でゴールを奪った。この調子を維持して2022シーズンの再現といきたい。
DF:中野伸哉(なかの・しんや)
生年月日:2003年8月17日 所属クラブ:ガンバ大阪 今季リーグ戦成績:11試合0ゴール0アシスト サガン鳥栖で輝きを放った若きサイドバックは、ここのところ伸び悩んでいる感じが否めない。 現在21歳の中野は鳥栖のアカデミー出身の選手だ。世代別日本代表に何度も招集されてきた同選手は2020年にトップチームへ2種登録されると、第8節FC東京戦においてクラブ史上最年少となる16歳11か月でJリーグデビュー。シーズン後半には定位置を確保し、最終的にルーキーイヤーでは公式戦15試合に出場した。 2021シーズンはさらに飛躍を遂げた1年となった。センターバック、サイドバック(SB)と複数のポジションでリーグ戦34試合に出場し、2アシストを記録。左右両足を使って精度の高いパスを供給することができることに加え、鋭い読みと豊富な運動量で相手FWに自由を与えない。世代を代表する左SBとして注目を集め、パリオリンピックの主力を担う存在として期待されていた。 しかし、2022シーズンに川井健太監督が就任すると、中野は徐々に序列を低下させていくことに。昨季はほぼ試合に絡めなくなり、こうした状況を受けて夏にガンバ大阪でプレーすることを決断した。が、ここでも定位置を確保しているとは言い難い状況に陥り、今季は公式戦13試合の出場に留まっている。リーグ戦ではそのほとんどが試合終盤の投入で、「未完の大器」がもどかしい時間を過ごしていることは言うまでもない。 所属クラブで十分な出場時間を得ることが出来ていないからか、中野は2023年9月を最後に世代別日本代表に招集されず。結局、パリの地で日の丸をつけて戦うことは叶わなかった。 苦しい時期を過ごす青黒の背番号33だが、彼にはまだ十分すぎるほど時間が残されている。先月には、FW坂本一彩とともにオランダの名門アヤックスのトレーニングに参加。欧州トップクラブで過ごした9日間で経験したものを自身のプレーに反映させることはできるだろうか。中野の今後のパフォーマンスに注目だ。