佐々木朗希が1回4奪三振の珍記録も指の”マメ”が原因で64球緊急降板…大谷翔平も悩まされた”難敵”にどう対処していくのか?
令和の怪物、ロッテの佐々木朗希(20)が突然のアクシデントに見舞われた。本拠地ZOZOマリンスタジアムで1日に行われた楽天戦に先発した佐々木は、初回に日本プロ野球タイ記録となる1イニング4奪三振をマーク。4回二死までに10三振を奪う快投を演じたが、右手中指のマメがつぶれ、被安打2、無失点のまま4回64球で緊急降板した。マメがつぶれるアクシデントは、エンゼルスの大谷翔平(27)も悩まされた“難敵”。超一流投手の証でもあるが、今後の対処が不可欠である。なお試合はロッテが6-4で逆転勝ちした。
64球で緊急降板。右太もも部分に痛々しい血の跡
右手の中指に覚えていた違和感が、激痛に変わった瞬間だった。 1点をリードして迎えた4回一死。フルカウントから楽天の5番・銀次を、内角低目に大きく落ちる142kmのフォークで空振り三振に仕留めた直後だった。 投げた反動で体を半回転させた佐々木が、恋女房の高卒ルーキー松川虎生や津川力球審に背中を見せたまま、マウンド上でおもむろに視線を落とした。その先に広げられていた右手を何度も、明らかに気にする素振りを見せている。 しかし、佐々木は次の瞬間、右手をユニフォームの右太ももあたりに擦りつけ、ロージンバックを握りしめて白い粉末を飛ばした。何ごともなかったかのように6番の鈴木大地と相対したが、初球のフォークは外角高目へすっぽ抜けた。 フルカウントからこの試合で2つ目の四球を鈴木に与えるまでの過程で、佐々木は何度も右手を気にした。7番の茂木栄五郎には2球目の直球を右前に落とされ、二死一、三塁とされた。この時点で右太もも部分には血の跡がついていた。 8番の辰己涼介を左打席に迎えても、外角高目へ3球続けてすっぽ抜ける。明らかに変調をきたしたなかで迎えた、カウント3-0からのこの試合での64球目。内角のやや甘いコースに入ってきた154kmの直球を辰己が強打。ライトへ高々と上がった飛球を、マーティンがフェンス際でキャッチして何とか事なきをえた。 直後から一塁側のロッテベンチが慌ただしくなった。木村龍治投手コーチとトレーナーが話し合い、佐々木の異変を井口資仁監督へ報告する。その後に木村投手コーチがブルペンへ連絡を入れ、右腕・小沼健太へ急きょ肩を作るように指示を出した。 佐々木を4回で交代させた井口監督は、試合後に「朗希がちょっとマメを潰すアクシデントがあった」と明かした上で、負傷の原因についてこう言及した。 「今日は非常に調子がよくて、かなり指に引っかかっていた分、マメが破れてしまったのかな、と思っています」 指揮官の言葉通りに、佐々木は初回から異次元の投球を披露した。