《「エリート女性」ほど不倫に陥りやすい》のは本当か…外資系企業勤務30代女性が、50代既婚男性と「恋人同士の関係」を続ける理由
忙しい自分に「都合のよい」関係
それほどコソコソした関係でもなく、たまたま都合がつけば、彼の知っている店で外食をすることもある。贅沢好きでレストランには特にうるさいヨシミが、彼と長く付き合うほど居心地よく感じるのは、そういったタイミングの店選びを間違えないことや、彼が自分で運転するのが好きなためにあまりお酒を飲まないことなど、いくつかある。彼女の家に泊まれば基本的にセックスはするが、お互い疲れているとせずに寝てしまうこともある。 夕食はそれぞれ別にとったときでも、朝起きると必ず一緒にコーヒーとフルーツとパンかヨーグルトの簡単な朝食を食べる。お互いスマホで仕事のメールをチェックしていることもあり、ものすごく会話が弾むわけではないが、ちょっとした会話だけでもその時間はかけがえのないものなのだと彼女は言う。 彼女の言い分はこうだ。 「一生結婚しないって決めてるわけじゃないし、子供が全然欲しくないわけじゃないけど、正直、今は今の彼以上の人は想像できないし、こういう理想的な関係が、たとえば未婚の同い年の人と結べるかっていうと難しいとも思う。経済的な余裕とか、年上だから振る舞いがスマートだとか、そういうことももちろんあるけど、結婚して私を幸せにするっていうのができないっていう負い目があるからか、その分普通の男の人より一緒にいるときはものすごく優しくて、尽くしてくれて、望むこと全部してくれる」 彼女のようなスタイルの恋愛は、極めて現代的で理にかなったものだ。私が先に便宜的に富裕ゆえの不倫と呼んだ、エリート女性が陥りやすい関係でもある。 つまり、女性が完全に自立しており、生活能力も収入も高い場合、結婚に求めることが少なく、結果として忙しい自分に都合がよく、居心地よく接してくれる既婚男性との不倫関係に落ち着きやすい。
恋愛に何を求めるタイプなのか
ただし、既婚男性と恋愛するエリート女性たちを間近で見ると、当然彼女たちが皆似たような恋を求めているはずもなく、刺激を求めるタイプ、都合を優先するタイプ、感情が暴走するタイプ、など様々だ。 刺激を求めるタイプの女性は、不倫であることや障害があることに陶酔している場合が多いため、既婚者に対するハードルは低いが、 何かと波風をたてて劇場型の恋愛を求めるために、周囲に関係がバレたり、ひどい場合は家族を巻き込んだりする可能性もある。 感情が暴走するタイプは、もともと既婚者とわかって付き合ったものの、不倫関係ではどうしても飽き足らなくなって、彼の結婚生活の破綻を望んだり独占欲が過度に表出したりする。ヨシミのように、自分自身の仕事の優先順位が高く、また私生活にしても、美容や女友達との予定など、それなりにタスクが混み合っている女性は、一見ご都合主義でやや冷たい印象を持たれるが、実は既婚男性との恋愛が最も安定する。 相手が既婚であることにそれなりに自分の方もメリットを感じており、また本人の側にも守るべき生活があるために大きなトラブルや関係の破綻に繫がるような行動はあまり取らない。本人同士のストレスが少ないせいか、二人でいる時間は充実して穏やかであるらしい。 【つづきを読む】『「妻とだけセックスをしろって言うのかい?」「日本の女性は、不倫を理解して楽しんでいるよね」…声をかけてきた外国人・40代既婚男性の「驚きの言い分」』
鈴木 涼美(作家)
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