ツワブキに白い花 前代未聞の発見、突然変異株か? 鹿児島県・徳之島「天城岳」麓
【鹿児島県・徳之島】生物多様性を内包した「世界自然遺産の島」の常緑に映える「ツワブキ」の黄色い花は、今が盛りと一段と鮮やかさを増している。ところが、徳之島第2の高峰・天城岳(533㍍)の麓では、前代未聞の白い花弁を広げたツワブキの株が偶然見つかった。 キク科ツワブキ属の常緑多年草。奄美群島では「ツワ」「ツバシャ」「フキ」などの呼称があり、茎は豚骨など煮付け料理やつくだ煮用などに活用される伝統食材、郷土の味でおなじみだ。花は、島々の野山や路傍に鮮やかな黄色い点描を添えてくれるが、「白い花」の開花は、島の古老たちでさえ前代未聞の珍現象だ。 発見者は、徳之島エコツアーガイド「旅友Tokunoshima」代表の常(つね)加奈子さん(43)=伊仙町=ら。植物に詳しい来島客を、天城岳山中に案内後、何げなく視線をやった先に、ツワブキの黄色い花に交じって何やら「白い花」。中央部(筒状花)こそ黄色いが、花弁(舌状花)は純白でまるでコスモスのようで、顔を見合わせて驚嘆したという。
40年以上自然観察を続けている知人らも含め、「見たことも聞いたこともない」。専門家は「自然界での突然変異」の可能性も示唆する。 常さんは「エコツアーガイド中も日常的に新しい気付きや発見など〝うれしいイレギュラー〟が多い。今回のツワブキの白い花でも、徳之島の大自然の奥深さと魅力を改めて感じた」と声を弾ませた。