話題の「年賀状じまい」…実際どうだった? 1人3.7通、元日配達数は激減していた 「今年で最後…さみしかった」「そもそも住所知らない」
新年のあいさつが変化してきている。日本郵便九州支社によると、2025年に鹿児島県内で元日に配達された年賀状は568万7000通、1人当たり3.7通で、10年前の3割弱。松の内が終わった8日、鹿児島市内で「出しましたか?」と聞いてみた。「年賀状じまい」の背景には、郵便料金の値上げや交流サイト(SNS)の普及のほか、慣習にしばられない意識の変化もあるようだ。 【写真】〈関連〉元日に配達される年賀状の数は、この10年でどう変わったのか…鹿児島県内で調べてグラフにしてみた
同支社によると、県内の元日の年賀状は15年は2156万3000通、1人当たり12.8通だった。減少傾向が続き、今年は前年から34.7%の大幅減だった。 通常はがきの料金は昨年10月に63円から85円に値上げされた。届いた数が半減した80代男性は「ここ数年減ってきていた。値上げのほか、新型コロナで付き合いが減った影響も感じる」と推測する。 主婦の日高和代さん(72)は受け取ったはがきに「今年で最後」とあり、「さみしかった」。「メッセージを書くのは相手との思い出や一年を振り返る機会になる」と、今後も続ける考えだ。 そのほか、「送りたい人だけに送るようになればいい」と話した人もいた。 SNSを使う人も増えている。LINE(ライン)などで連絡した鹿児島商業高校1年の田中怜那さんは「年賀状は残るので処理に困る。そもそも友人の住所を知らないし、知られたくない人もいると思う」。 鹿児島大学2年の池田隆真さん(21)は8日、年賀状のお礼を1通投函(とうかん)した。友人約20人にはラインを使ったが、「手書きの文字からは温かみが感じられ、もらってうれしかった。来年は自分から出したい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島