ビットコインは米CPI発表後に5万8000ドルまで下落──ETFも8100万ドルの流出
ビットコイン(BTC)は過去24時間で4%以上下落し、8月15日午後のアジア時間には5万8000ドル付近で取引され、先週からのほぼすべての利益を失った。 BTCの下落は主要トークン全体の下落につながった。イーサリアム(ETH)は3.8%、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、バイナンスコイン(BNB)、エックス・アール・ピー(XRP)は2.5%下落した。より広範な指標であるCoinDesk20指数(CD20)の3.5%の下落だった。 14日夜に7月のアメリカ消費者物価指数(CPI)の数値が発表された後、多くのトークンが下落した。7月のCPIは予想通り前年同月比2.9%の上昇で、2021年以来初めて3%を下回った。 ナスダックとS&P500が取引序盤の売りを戻し、この日を上昇で終えたにもかかわらず、BTCはCPI発表後も売られ続けた。K33 Researchによると、暗号資産の価格はここ数カ月、アメリカの経済データに「非常に敏感」であり、投資家がリスク資産よりも安定性を好むことで動く傾向がある。 そのため、一部のトレーダーは、BTC価格が短期的に5万5000ドルまで下落し、その後上昇すると予想しているが、これは主要トークンにさらなる損失を与える可能性がある。 FxProのシニアマーケットアナリストであるアレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏は15日のメモの中で、「新たな売りの勢いが依然として優勢なシナリオで、5万5000ドルまで引き戻される可能性がある。アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の差し迫った金融緩和を支持するデータは、短期的な下降トレンドを克服し、6万6000ドルへの上昇にゴーサインを与えるために強気派を力を与えるかもしれない」と述べた。 その他では、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)は14日、8100万ドル(約117億5000万円、1ドル=145円換算)の純流出を記録し、2日間の流入に終止符を打った。グレイスケール(GrayScale)のGBTCは5600万ドル(約81億2000万円)の資金流出を記録し、ETFの中で最多となった。アーク・インベスト(Ark Invest)のARKBは670万ドル(約9億7000万円)、ビットワイズ(Bitwise)のBITBは570万ドル(約8億2600万円)の損失だった。 フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)のEZBCとブラックロック(BlackRock)のIBITだけは累計で600万ドル(約8億7000万円)の純流入を記録した。 イーサリアム現物ETFは1000万ドル(約14億5000万円)の純流入を記録し、3日続伸した。ブラックロックのETHAは1600万ドル(約23億2000万円)の資金流入を記録したが、グレイスケールのETHEは1600万ドルの損失を出した。グレイスケールのミニ・イーサリアム・トラスト(ETH)、フィデリティ(Fidelity)のFETH、ビットワイズのETHWは累計1100万ドル(約15億9500万円)の資金流入を記録した。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Drops to $58K After U.S. CPI Print, BTC ETFs Record $81M Outflow
CoinDesk Japan 編集部