農産加工品の魅力発信 AMAMIMAMA 東京のイノベーションフェアに出展
鹿児島県奄美市名瀬の一般社団法人AMAMIMAMA(元雅亮代表理事)は2、3の両日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで開かれた展示会「イノベーションフェアin有楽町2024」に出展し、豚やタンカンなどさまざまな農産物を使った加工品のおいしさなどを通じて奄美の魅力を発信した。 展示会は、時代の変化に合わせてビジネスモデルの転換などに積極的に取り組んでいる全国の中小企業の情報発信・出会いの場として中小企業庁などが主催して毎年開かれているもので、約5千人が来場した。 奄美からはAMAMIMAMAの1団体・企業が出展。ブースでは奄美市笠利町で放牧、飼育している豚のジャーキー、奄美産パッションフルーツの果肉を使ったフルーツスプレッド、島自生の唐辛子と青いタンカンの果汁を使った辛味調味料など、地域の農産物をふんだんに使って開発された加工食品の数々を並べて紹介。試食した来場者は「タンカンの香りと辛さがマッチしていておいしい」などと喜んでいた。 AMAMIMAMAは、本場奄美大島紬製造・卸のはじめ商事前社長の元雅亮さん(72)が、「離島としての地理的なハンディを克服し、奄美の魅力をそのまま伝えられる農産物加工品の可能性に賭け」(元代表理事)て、2018年5月に設立。2023年6月には事業再構築補助金を利用して奄美群島では初めてとなる食肉・食品加工施設を奄美市笠利町節田に整備した。 食品開発を担当している元寿好さん(40)は、物産展など現場での販売にとどまらず、「都内の百貨店などに農産物加工品を安定的に流通させる出口戦略を実現していくためには、食品衛生などの基準をクリアした食肉加工施設が島内にある必要があった」と指摘。 今回の展示会で出展した加工品は全て同加工施設で製造したもので、今年11月から高島屋でフルーツスプレッドを取り扱うことも決まった。「農産物加工品は、地域の農家など関係する業者や人など裾野が広い産業。付加価値の高い商品を開発し、島に若者が働ける環境づくりを進めていきたい」と意気込んだ。