「懐かしの寝台特急」EF66形電気機関車が牽引、一大ブームを巻き起こした“ブルートレイン”の歴史を振り返る
1958~2015年の長きに亘る歴史を持つ寝台特急、通称“ブルートレイン”。その代表格が東京と九州各地を結んだ九州特急。1985年から九州特急の牽引機が国内最強の電気機関車EF66形となり、その地位と人気を不動のものとした。そんな一大ブームを巻き起こした寝台特急“ブルートレイン”の歴史を振り返ってみる。 ⇒【写真】懐かしのブルートレインを一挙公開!詳しい画像を見る(全19枚)
絶大な人気を誇る「EF66形」とは
ブルートレインの元祖は1958年に登場した20系で、東京と九州を結ぶ九州特急に次々と投入された。20系は電源車を連結した集中電源方式を採用して、冷暖房完備・完全電化。青い車体からブルートレインと呼ばれた。1972年に分散電源方式の14系、1974年に集中電源方式の24系が登場。本州と九州各地にブルートレインネットワークができあがった。 1970年代後半には空前絶後のブルートレインブームで盛り上がったが、その一方で新幹線や航空機、高速バスの発達によりブルートレインの縮小も始まった。 1985年にロビーカーを連結して15両に増車した「はやぶさ」を含む、九州特急の牽引機を、国内最強の特急貨物用機関車EF66形に変更して注目を集めた。1986年には「あさかぜ」編成をグレードアップするなどブルートレインのイメージアップが話題に。1988年には青函トンネルの開通に合わせて上野~札幌間を結ぶ「北斗星」が登場。豪華ブルートレインのパイオニアとなった。 しかし2000年代に入るとブルートレインの廃止が相次ぎ、EF66形牽引の九州特急も2009年に全廃された。最後に残った「北斗星」も2015年8月で廃止され、ブルートレインの歴史に幕を下ろした。 EF66形は本来、特急貨物用の電気機関車で、当時国内最強の出力3900kWを誇り、特急形電車に準じた車体デザインが人気だった。1985年に九州特急「はやぶさ」編成にロビーカーを連結して15両編成とした際、EF65形の牽引定数を超えたため、EF66形を牽引機に抜擢。ブルートレインの代表格だった九州特急を牽引する、特急に相応しい車体デザインのEF66形はブルートレインの象徴となった。 主な牽引列車 東京発:あさかぜ、さくら、はやぶさ、みずほ、富士 大阪発:あかつき、彗星、なは