「こんな馬鹿げたサーカスは初めて」試合中断にゴール取り消し…前代未聞の事態にアルゼンチン監督が怒り心頭「何も説明がなかった」【パリ五輪】
「一体、何が起きたのか説明できない。私たちはドレッシングルームで1時間半も待たされ、その間に何も説明がなかったのだ」 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック そう言って怒り心頭に達していたのは、アルゼンチンのサッカー五輪代表のハビエル・マスチェラーノ監督だ。パリ五輪男子サッカーの初戦で、後半アディショナルタイムに試合が中断され、再開後にVARで同点ゴールが取り消され、1-2で敗れたのだから、納得できなくても仕方がないかもしれない。 90+16分にアルゼンチンのクリスティアン・メディナがネットを揺らした直後、スタンドからモロッコのユニホームを着たファンがなだれ込むなど、ピッチ上は大混乱に。アルゼンチン側に爆竹が投げ込まれ、試合続行が危険と判断した両チームと審判団はロッカールームに緊急避難した。そして、このまま試合終了となるかと思われたが、なんと約2時間の中断の末に、無観客で再開。しかも、VARチェックの末にアルゼンチンの同点弾はオフサイドで無効になり、3分間プレーした後、1-2でアルゼンチンの敗戦が確定したのだ。 40歳の指揮官は続ける。 「モロッコのキャプテンは試合をしたがらず、我々も続けるのは嫌だった。ファンはいろんなものを投げつけてきたからね。そして大会はなぜ、プレーの確認に1時間20分も費やす必要があったのか。これほどまでに馬鹿げたサーカスは、私の人生で初めて目にしたよ。メディナのゴールがオフサイドなら、勢いに乗っていた私たちに、そのままプレーさせてくれればよかったのだ。1時間半の(中断の)後に、3分プレーさせるべきではなかった」 とはいえ、現役時代に五輪とチャンピオンズリーグを2度ずつ制している勝者でもあるマスチェラーノ監督は、それ以上、不満を述べ続けることはなかった。 「不平に意味はない。このようなことは起きてほしくないが、前に進まなければならないので、ポジティブなことを見出し、2勝して(グループを)勝ち抜けたい」 アルゼンチンは10日前にコパ・アメリカで優勝した際、フランスのアフリカ系選手を差別する歌を歌い、その動画をエンソ・フェルナンデスが自身のソーシャルメディアに投稿して、大きな物議を醸していた。今回の五輪が開催されるパリはフランスの首都。同国サッカー協会は「人種差別的な行動」としてFIFAに訴えている。その地元ファンや同じフランス語を話す対戦相手のモロッコのサポーターから、強烈な負の感情をぶつけられた結果が、カオスに至った要因とも考えられている。 フリアン・アルバレスにニコラス・オタメンディと、コパ・アメリカ、W杯、コパ・アメリカとメジャータイトル3連覇中のA代表のメンバーも揃える優勝候補アルゼンチン。この劣勢を覆して、3度目の金メダルに近づくことはできるだろうか。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]
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