パリオリンピック金メダルのアリサ・トゥルー14歳「Funじゃなかったらスケートボードをする意味がない」
【次なる大技を大きい大会で決めたい】 ーー今後、追う立場ではなく追われる立場になってくると思います。 たしかに、自分が今回の五輪で勝ったので、きっとみんなが自分を追い抜かしていこうと頑張ってくると思うんです。でも、自分もみんなに負けないように上を目指して頑張っていきますし、みんなすごく上手なので、次は誰が勝つかわからない感じだと思っています。 ーーアリサ選手は14歳とまだまだ若いですが、これからどんどん若い選手たちが出てくると思います。これからはどんな選手になっていきたいですか? もっともっとスケーティングを上達させながら、私よりも若い選手たちが、どんどんインスパイアされていく滑りをしていきたいです。自分だけじゃなくて、みんなが上達していくような滑りをしていければと思っています。 ーー今、一番見せたい技は? やっぱり「スイッチマックツイスト540」(※利き足とは逆のスタンスで空中1回転半する大技)。パークで、それも大きな大会で成功させたいと思っています。それが今の私の目標であり、見てもらいたい技です。 ーーパリ五輪に続いて、2028年ロサンゼルス大会以降の五輪でも金メダルを獲り続けたいという目標はありますか? もちろん目指したいと思ってはいますが、とりあえず、すべての五輪で決勝に進むことをまずは目標にしていきたいですし、自分がやりたい技を、大会でしっかりやっていきたいです。
【スケートボードをすることはFun】 ーー今回の「X Games Chiba 2024」は、パリ五輪が終わって、次へ向けてのスタートという大会になると思います。 自分にとっての一番難しいランを成功させて、友だちと楽しみたいと思っています。(※結果は女子パーク優勝) ーー「友だちと楽しむ」。スケートボードでは"Fun"が大切ですか? スケートボードをすることが"Fun"じゃなかったら、スケートボードをする意味がないと思いますし、それは私だけじゃなくて、みんなもそうだと思いますよ! ーーまだロサンゼルス五輪まで4年ありますが、それまでずっと"Fun"でいけたらと? そういう気持ちで、とりあえず、すべての大会で自分のベストを尽くしていきたいですし、その結果として勝てたらうれしいと思います。 ーー最後に、日本のスケートボーダーたちにメッセージをお願いします! スケートボードが好きなみなさん! スケートボードの技をどんどん覚えて、これからも一緒に"Fun"していきましょう! * * * 「X Games Chiba 2024」女子パークでも優勝を決めたアリサ。予選トップ通過で臨んだ決勝は、1本目でミスが続くも、2本目では得意技の「マックツイスト540」を決め2位に浮上。さらに3本目は、45秒間の試技がアッと言う間だと思わせる安定感と完成度で、唯一の90点台を叩き出し、パリ五輪を彷彿とさせる大逆転で勝利した。 【プロフィール】アリサ・トゥルー Arisa Trew 2010年、オーストラリア・ケアンズ生まれ、ゴールドコースト育ち。スケートボードだけでなくサーフィンも得意な「二刀流」選手。2024年パリ五輪スケートボード・女子パークで金メダルを獲得。得意技は、ボードに乗った状態で空中に飛び出し、ボードを1回転半させる「マックツイスト540」。好きな日本の食べ物は、餅、アイスクリーム、たい焼き。お茶漬けのもとは遠征の時は忘れずに持っていくほどの大好物。
門脇正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori