急激な"円安反動相場"で見極めたい「伸びる内需株」の条件
為替相場で急激な円高方向への揺り戻しが発生。株式市場にも動揺が広がっている(写真:ブルームバーグ)
日本銀行が10月初めに発表した9月調査「日銀短観(短期経済観測調査)」によると、全規模・全業種を対象にした2022年度事業計画の前提為替レートは1ドル=125.71円(上期124.98円、下期126.43円)であった。さらに、輸出企業(大企業・製造業)について見ても同122.73円という水準だった。 かつての「円高デフレ」時代を引き合いに出すこともないが、足元での1ドル=135円割れに対しても、日本企業全体として見れば十分に余裕があることがわかる。 12月2日に日経平均株価が一時は500円を超すほどの急落となったように、市場はいささか過剰なほどに為替「円高」に対する反応を見せている。だがこれも、ほんの1カ月ちょっと前に1ドル=152円手前まで進行した「超円安」相場の反動現象といっていいのではないか。 150円台から130円台前半へと比較的短い期間に駆け降りたことで、いわば視野の混乱による“錯覚”のようなものが投資家心理に引き起こされている、とみていい。1ドル=130円台半ばは8月ごろの水準である。 要するに、あくまでも急激な円安相場の調整局面。インフレ・利上げを背景にしたドル高・円安相場が終わったのかどうか、市場関係者の間でも見方は分かれているのだ。性急な結論はケガのもとと考えておきたい。
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岩本 秀雄