子どもの近視抑制対策は思うほど難しくない。 「この子のため」と考えすぎると長く続かない
ボーク:そうですね。私たちも子どもの頃は、「外遊びをしなさい」と言われたから外に遊びにいっていたのではなく、ただ楽しいから外に飛び出して行ったのだと思います。 ■外遊びの概念を変えると親も子も気が楽に ボーク:「外遊び」という言葉の捉え方も変えた方がいいかもしれません。外で遊ぶことは別に公園に行かなくても遊具がなくてもできます。 窪田:私も、小学校の行き帰りの合間、通学路で友だちとおしゃべりしながら小石を蹴ったり、いろんなことをした楽しい思い出があります。家から学校までの往復も、立派な屋外の外遊び時間といえますね。
ボーク:アメリカは州にもよりますが、13歳未満の子どもは一人で出歩いてはいけないなどといったルールがあります。日本の小学生は、学校の行き帰りだけでなく、電車にもバスにも一人で乗ったりできます。毎日同じ道かもしれませんが、道中たくさんの発見がある、それ自体がもう「遊び」ですよね。 窪田:日本は都市の作りがコンパクトなので、少し歩いただけでもどんどん景色が変わりますよね。しかも、同じ風景でも四季折々で表情がまったく異なります。それを探すこと気づくことも「遊び」と考えるのは斬新です。何よりも「遠くを見る」という目にもよい行動につながりますね。
■ウォーキングは発見と自分の思考の整理もできる ボーク:私は1日1回近所をパワーウォークするんです。これは私が楽しいからやっていますし、継続できています。外を歩くと、たとえ同じ道でも看板が変わっていたり、パン屋さんの品揃えが昨日と変わっていたり、毎日発見の連続です。「今日は何に出会えるかな」という好奇心があるから外に出たくなる。かつ、ウォーキングは自分の思考の整理もできるので一石何鳥にもなります。
お子さんと一緒に外に出て、「あれ、この看板、前と変わったかしら?」「パン屋さん、今日はたくさんパンが売れているね、どうしてかな」などと話してはどうでしょうか。親が外で好奇心を持って楽しんでいる姿を見ると、子どもも外に出ることが楽しくなると思います。 窪田:大人が不思議に思うこと、そしてそれを子どもに見せることも大事なのですね。 ボーク:そうですね、その大人の姿を見てその子なりに好奇心を育むようになります。非認知能力はこのような日常のちょっとしたことで高められます。かつ目にもよいと窪田先生のお墨付きをいただけましたし(笑)。