IT業界がいつまでも「男性社会」であり続ける根深い原因
大切なのはトレーニング
Code First GirlsとTech Talent Charterは、人々、特に女性がAI技術や自動化技術に職を奪われるのを防ぐための継続的トレーニングを推奨する。両組織が提唱するのは、以下の3つのトレーニングだ。 1. スキルアップ 3. 技術スキルをアップデートするためのトレーニング 6. リスキリング 8. 社内での職務変更を目的とした、新たなスキルを習得するためのトレーニング 11. 外部リスキリング 13. 他社への転職を目的とした、新たなスキルを習得するためのトレーニング これらのトレーニングを通じて新しいスキルを身に付けることにより、労働者は現職にとどまる目的でも、別の職務に変わる目的でも、失業を防ぐことができる。 リスキリングとスキルアップは労働者の定着にも役立つ可能性がある。転職を経験したCode First Girlsのコミュニティーメンバーの大部分は、「スキルアップの機会があれば転職しなかった可能性があった」と答えた。女性が最新のスキルを学びながら同じ職務にとどまれば、上級職に昇進する可能性が高まることにつながる。 スキルトレーニングと職務の育成は個人ごとに状況が違う。コンサルティング会社McKinsey & Companyは2017年時点で、「2030年までに最大3億7500万人が転職を余儀なくされる」と分析した。この数字を受けてCode First Girlsは、「ITが進化や変化を続ける中で労働者が必要なスキルを身に付ける唯一の方法が継続的なトレーニングだ」と指摘する。 Code First Girlsコミュニティーメンバーの一部は、新しいことを学ぶのに前向きだ。企業がスキルアップやリスキリングの機会を提供することで、採用候補者の層を広げると同時に、IT業界におけるダイバーシティーの格差を解消できる可能性がある。 Tech Talent Charterの共同CEOカレン・ブレーク氏は、「IT業界は絶え間なく変化するため、将来に向けてインクルーシブなスキル育成プログラムを作成することが重要だ」と語る。企業がダイバーシティーを受け入れることで、新興技術の潜在能力を最大限に引き出し、バックグラウンドに関係なく誰もが成功し、有意義な貢献ができる未来を創造できるようになるという。 ブレーク氏が企業に推奨するのは、スキルアップとリスキリングの積極的な実施と生涯学習の支援に取り組み、労働者のさまざまなスキルに価値を見いだすとともに、個人の違いを奨励する環境を整えることだ。「インクルーシブなスキルアッププログラムを提供することは、格差を埋めるだけではなく、進歩と繁栄への道を切り開くことができる」と同氏は強調する。 ※本記事は米Informa TechTargetの記事を翻訳・編集したものです。
TechTargetジャパン