香水選びの近道に⁉︎ 香りの“共感覚”がフレグランスの世界を変える
香りの“消費”方法は、鼻だけでなく、より多面的で精巧な形で進化している。ブランドは共感覚の概念を製品開発に活用し、それによって顧客が体験する感覚の範囲を広げている。このアプローチは、顧客をより深く巻き込む大きな機会を提供し、その可能性は無限に広がっている。 アリス・デュ・パルクもこのトレンドに同意している。「店頭でのフレグランスコンサルティングでは、フィジカルとデジタルのハイブリッドなアプローチが重要です。顧客が質感に触れたり、音を聞いたり、香りに引き寄せられたりするような、さまざまな感覚的瞬間に浸れるような香りの楽しみ方が理想的だと思います」 「このような体験を提供することで、顧客は自分に最も感情的にフィットする香水を見つけやすくなり、全体的な購入体験が向上します」
スウェルは、近くのフレグランスカウンターを訪れ、新しい香水によって体験したい気持ちや感情をビューティアドバイザーに相談し、いくつかの香水をブラインドで嗅いでみることをすすめている。 「目を閉じて深く香りを嗅ぎ、どんな色が心に浮かぶか、どんなテクスチャーが連想できるか(クリーミー、曇り、バターのような、パウダリーなど)、またどんな楽器や歌、音が思い浮かぶかを確認してください。最もポジティブで喜びと美しさに満ちていて、ずっと触れていたくなるような、感じていたくなるような、聴きたくなるような香りがあれば、それが今のあなたにぴったりの香りです」 実は、香水をより有意義な方法で体験する方法は常にあるのだ。たとえ、固有の共感覚によって自動的に見たり、聞いたり、感じたりしなくても。 「香りをいつもよりじっくり向き合う時間を持つことで、さまざまなビジョンや色彩、記憶が浮かぶでしょう。これは固有の共感覚を持っていなくても、香りによって豊かな体験をすることは可能だからです。それをぜひ楽しんでください。本当に美しいプロセスなので」とスウェルは締めくくった。
Realization : REBECCA FEARN、Translation & Text : Nathalie Lima KONISHI