「さっさと終わってお酒飲みたい」第168回直木賞の小川哲さん会見(全文)
直木賞というものをどう捉えていたのか
記者:最後に、すいません、直木賞を今回受賞されて、あらためて小川さんにとって直木賞という、賞、選ばれる選ばれないって話はされてましたけれども、直木賞というものをどういうふうに捉えておられたのかということと、あと、直木賞じゃなくて芥川賞ですけれど、高山羽根子さんが受賞されたように、SF出身の書き手がいわゆる一般文芸の世界でも、今、評価されているということについて、作品がというよりは捉え方の変化かなと思うんですけれども、小川さん自身どうお感じになられているか伺えますか。 小川:直木賞がどういう賞か。 記者:はい。すいません。結構ジャンル文学に辛いという。 小川:ああ。いや、でも別に。例えば直木賞でSFの受賞作が少ないのとかって、単純にそれは直木賞の候補を決める文学振興会の読み手だったり、あるいは賞を与える選考委員の方々がSFの良さ悪さっていうのを、その定規を持っている人があんまりいなかったから候補にならなかったんじゃないかなって僕は思ってて。でももう、例えば今、選考されている方々とか、あるいは今、何を候補にするか、知らないですけど、僕は日本文学振興会の内部のシステムは。でもそういう、おそらく編集者が決めているので、編集者の方々もSFを読んだり、SFの面白さを知っている人もどんどん増えてきていると思うので、別に近い、もう本当にこの3年以内とか5年以内とか、ひょっとしたら次の回とかでSF小説が、ジャンル、SFの、真っすぐど真ん中のSF小説が受賞してもおかしくはないと僕は思ってます。 記者:すいません、ありがとうございました。おめでとうございます。 司会:では小川さん、最後におっしゃりたいことがございましたらお願いいたします。 小川:朝が苦手なので、朝早いお仕事の依頼をもうすでにいただいたりしてるんですけど、お仕事の依頼は大変ありがたいですけど、朝が早い仕事はなるべくやめていただけると助かります。 司会:ありがとうございました。小川さん、おめでとうございます。 (完)【書き起こし】第168回直木賞の小川哲さん会見