中国で人気上昇ギタリストMIYAVIさん 言葉や文化を超えて感じる心の交流 北海道新聞インタビュー
――今回のライブの中での反応はどう感じましたか。 「音楽に対する熱、娯楽としての存在意義って、今はすごく問われていると思うんですよ。日本の音楽番組は減ってきているし、音楽をやっている時間よりもトークをしている時間の方が長かったりする。どれだけ音楽で人が熱狂できるのか、って僕たちに問われていると思うんです。そのワクワクというのを僕たちはやっぱり責任を持ってやっていかなければいけない。中国はそこがすごく強く求められているというのを感じます」 ――観客はスマートフォンで撮影をし、その後すぐにSNSでシェアをしている人もいました。アーティスト本人としてはどう感じていますか。 「まぁ正直どっちでもいいですね。そういう文化であれば、それはそれで、という感じですね。アーティストとしては何もなしの肉眼で自分のライブパフォーマンスを見てほしいという思いは正直ありますよ。スマホカメラの画角をチェックしてる暇があったらパフォーマンスを見てほしいし、カメラのオンオフをしてる暇があったら一緒に歌ってほしい」 「でも、お金を払ってチケットを買って、撮っていいよっていう状況なら撮りますよね。残したいなと思いますよね。僕たちとしては撮られたときに、どれぐらいかっこいいライブを残せるのかというのに全力でやるのみですね。ただ、満月見て奇麗だなと思ってすぐにカメラで撮っても、何日か後に写真見たときの『あれ?普通』っていうがっかりした感じってあるじゃないですか? そういう意味では、まだ文明は自分たちの五感をデジタル化できるところまで進化していないと思います。目で見るもの、肌で感じるものというのはデバイスには収めきれない。これはコロナの時にリモートライブをやったときにすごく感じたんです。ライブに来るというエクスペリエンス(経験)には勝てませんよ」