【すすきの首切断】「通報するべきだったとは思っていない。世界の中で瑠奈が1人ぼっちになっても瑠奈の側に立っていたい」母親・浩子被告(61)の7回目の裁判⑥
2023年7月、札幌・すすきののホテルで首を切断された男性の遺体がみつかり、親子3人が逮捕・起訴された事件で、12日午前11時から母親の田村浩子被告(61)の7回目の裁判が開かれ、浩子被告への被告人質問が行われました。 【写真を見る】約4時間続いた田村浩子被告(61)に対する被告人質問 ◆事件後について 遺体の一部が入ったビンについて、浩子被告は 「瑠奈に見せられて、寝床のすぐ近くに置かれた」 「見たくないとは言えず、『万が一、うっかりぶつかって落とすといけないからどけてもらえないか』と言った」ということです。 遺体の頭皮の入ったザルとワイヤーは、遺体の頭部を見せられた後に浩子被告が買ったものだといい、 「工作に使うと思っていた。ザルもおそらく、何かに使うと。事件と関係ないと思っていた」 事件に使われて「衝撃を受けた。必要と言って急いで買いに行ったのにこういうことに使われた」と思ったといいます。 逮捕までの間、修被告と瑠奈被告ののこと話し合ったがどうか聞かれると 「『どうしよう』とか、『どうにかしよう』とかは話してない。修被告に『地獄は死んでから行くところではなく、今、目の前にあるんだね』と伝えた」と、声を詰まらせました。 また、浩子被告は 「誰かに助けを求めるレベルを超えた。警察に通報考えない。最愛の娘がしてしまった、やってはいけないものと思ってる。娘は親だと思っていないが、私たちには娘ですから、身内から通報して、警察に突き出すことはしようとはしてない」と話し、 瑠奈被告については「スーツケースで歩いてる画像などがあって、交差点や信号機などカメラはあるため、すぐにわかると思った。警察も身近にきている感じしていた。いずれ逮捕されると思ってた」と当時を振り返りました。 一方で、瑠奈被告を「逃そう、遺体を捨てよう」とは思わなかったのか問われると、 「一切思いませんでした」 「残された日がどのぐらいあるか分からないが、一見平穏に見える娘と暮らしたい」と思っていたということです。 自宅に遺体の一部がある異常な状態にもかかわらず、日常のやり取り続けていた心境については、 「地獄の世界にいると言ったが、娘の前では普通を装っていた」 「そうせざるを得ないより、日常は続けなければならないので。心の中では全て失ったり世界が崩れ去った。LINEの文面だけ見てもおかしい感じはあります」と述べました。 浩子被告が、自身の兄と普通に会話をしていたことについては、 「兄には娘が不登校になった時も相談してない。誰かに相談できるレベルではない。コーヒー豆のお礼の電話だったので、なぜこんな話してるのかと思いながらコーヒー豆について語った記憶ある。最後に、兄との会話で両親の話になる。『母の話を聞いてあげたらよかった』とそんな思い出を話した。本当は話を聞いて欲しかったのは、助けて欲しかったのは、私だったと思い、泣き声も出さないように話をした」と話しました。 遺体の損壊については、 「私からは聞けなかった。『何で?』『どうして?』『どのように?』と聞いてない。話をしたそうにしていることが一度あって、2人の時(瑠奈被告が)『これ言ったら怒られるかな?』と言っていることあったが聞かなかった。瑠奈被告が『やっと吐き気をもよおさなくなった』と言っていた。好きでやっていたのではないと思った」ということです。 また、遺体の損壊行為自体を 「楽しんでる感じはない。やりたいからではなく、課題、やらないといけないからやった。疲労感あった」と感じたといいます。 被害男性を殺害した理由については、 「尋ねたことはない」「最初はわからないなりに、『怒っていたから』と思っていたが、ずっと怒っていたわけではない。なぜやったか分からない」ということです。 その後の警察での取り調べなどについては、 「調書が違う内容だった。見たことを話したのに、内容がびっくりするぐらい、言っていない言い回しや強い言い方になって、創作文学みたいになってた。全然違う言い回しになり、『直してください』と指摘した」と話しました。 逮捕ということに関しては、 「逮捕されるというのは全く思っていなかった」 「修被告も何も悪いことはしていない。なぜ逮捕されたのか全く分からない」、 死体ほう助の罪については、 「遺体を家に置く」と言われたこともなく、浩子被告が遺体を置くことについて話したことは「一切ありません」と述べました。 当時を振り返って今思うことについて、浩子被告は 「事件が起こった後だから思うことかもしれません。どんな手を使ってでも娘を止めていればと思うがどうしようもできなかった」とし、 「通報するべきだったとは思っていない。世界の中で瑠奈が1人ぼっちになっても瑠奈の側に立っていたいと思い出来なかったし、しなくて良かった」と声を震わせながら話しました。 瑠奈被告については、 「瑠奈が戻ってきたと錯覚することはあったが戻ることはない」 「そもそも『違うよ』という否定を使うことはない。自分の態度で(瑠奈被告から)『否定したよね』と言われたことがあるし、言葉遣いというか、怒ることを抑える時は丁寧に言うことを心掛けていた。日常で楽しいこともあったので神経をすり減らしたりはない」と話しました。 また、パワーストーンや古着など瑠奈被告のほしいものは全て買ったか、問われると、 「全てと言われると困る。一緒に化粧品売り場に行って、口紅がほしいと言われた時は『その色持ってるんじゃない?』ということもあった」と答えました。 12日午後4時半すぎ、約4時間に及んだ被告人質問が終わると、浩子被告は裁判長に一礼し、静かに着席しました。 浩子被告の次回の裁判は、12月20日(金)午前11時からです。
北海道放送(株)
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