発達支援のプロが教える!発達障害のある子が伸びる声かけ・褒め方・叱り方
小学校教諭としての勤務経験を持つ、発達支援コンサルタントの小嶋悠紀さんと、『with class mama』メンバーでもあり、モンテッソーリ教育×感覚統合の視点を取り入れた研修や講座を行うりっきーさんとの対談前回(関連記事:我が子の“発達障害”の特性を理解してもやっぱり……子育て中のイライラ解決法)は、親の障害受容や発達障害と診断される子が増えている理由などを取り上げました。 【漫画】およそ30人に1人。「読み書き障害」で苦しむ子どもを知っていますか? 今回は、それぞれのアプローチから、発達障害のある子どもが伸びる具体的な声かけ実例や、子どもの特性にフィットした環境を用意して、より力を発揮できるようにする「環境設定」「環境調整」の仕方などを伺います。
発達支援でよく聞く「環境設定」と「環境調整」って何?
――発達障害のある子どもへの支援では、まず「環境設定」と「環境調整」が重要だとお聞きしましたが、この言葉について知らない人も多いと思うので教えていただけますか? りっきー:「環境設定」という言葉はモンテッソーリ教育の中でも頻繁に出てきます。簡単に言うと、子どもを取り巻く物や人、すべてを「環境」と捉えて、それをどのように設定していくのか。どんな物を用意して、どんな大人がどのように声がけをしていくのか考えていくイメージでしょうか。一方で「環境調整」とは、さらに子ども一人ひとりの特性に合わせて環境を調整していくことです。たとえば、外部の情報に気を取られがちな子どもがいたとしたら、その子の机を敢えて壁向きに設置してあげるとか。その子の特性にフィットした環境を用意して、より力を発揮出来るようにしてあげるのが「環境調整」ですね。 小嶋悠紀(以下、小嶋):子どもに合わせて保育園を変えるのが「環境設定」だとしたら、通っている園の中で配慮していくのが「環境調整」とも言えるかもしれませんね。例えば時計で言うと、みんなが見やすい時計を教室に置くのが「環境設定」だとしたら、その時計が読めない子がいれば、砂時計を用意して時間を認知してもらうとか、配慮みたいな意味で「環境調整」という言葉があるイメージです。 ――子どもが通う保育園や学校をどこにするのか、そしてその中でどんな配慮を求めるのか、その二つが大事ということですね。では、ここからはより具体的な悩み事の解決方法についてお聞きしていきます。