「猫エイズ」&骨に異常がないのに歩けない…野良猫”縁蔵”が「自分の居場所」を見つけるまで
動物は与えられた状況を受け入れるしかない
愛さんと塩田さんに相談したところ、縁蔵を引き取ることを快諾してくれた。 「もし縁蔵が他の猫と仲良くできなかったら戻してもらうというお約束で引き受けてもらうことになりました」 こうして、縁蔵が愛さんと塩田さんの施設に移ったのは、2023年6月のこと。最初は東京から持ってきたソフトケージに籠城する引きこもりさんだったが、2か月くらいすると外にも出てくるようになり、一緒に眠るお友達もできた。現在は、高いところにも登れるようになり、肝臓の数値が悪いため定期的に点滴を受けながらも、虫を追いかけたり、緑の庭で風を感じて日向ぼっこしたりしながら、施設ライフを満喫しているそうだ。 「人間社会で生きる動物は人間に与えられた状況を受け入れるしかありません。だからこそ、彼らができるだけ心地よく安心して暮らしていけるよう、人間である私たちが守っていく必要があると思うのです」
坂上 知枝、長谷川 あや