父の遺言は「ロレックスを買え」!? 思いを託された20代女性が購入した時計とは?【Saeの“みんなどんな時計着けてるの”?】
数年前まで、時計について何も知らなかった私。「時計に大金をかけるなんて信じられない……」そんなことも思っていました。 しかし、高級時計に携わる仕事を通して(そして、Watch LIFE NEWS編集長菊地さんからの学びを経て笑)時計の奥深さや、それぞれの方が大切に、思いを込めて時計を所有していることを知りました。「トレンドに流されず、自分のスタイルを持ち、次世代へとつないでいくこと」はとても素敵なことです。 この連載企画では、そんな高級時計の世界に興味をもった20代の女性が、素敵な時計と、その時計を身に着けている方のストーリーを紹介します。 本日は遠藤美里さんの時計を取り上げます。 【画像ギャラリー:愛用のデイトジャストやお父様との思い出の写真】
さて、そんなMisatoさんが着けている時計は?
「ロレックスのレディデイトジャストです」 いつ購入したのですか? 「2023年の夏に買いました」 もともと時計に興味があったのでしょうか? 「いえ。もともと興味がなかったんですが、実は私は父を少し前に亡くしていて…… 大好きな父の遺言が『俺が遺すお金で時計を買え』だったんです(笑)」 なんと…! 「父は時計が大好きで。しかも『ブランド、モデル、型番、大きさ、色、すべておれが指定したもの』と伝えられ、価格帯、買う場所もすべて指定だったんです(笑)」 買う場所まで! 「中野にある某ショップで買えって言われました(笑)。当時はコロナ禍だったので賛否両論あると思いますが、父は亡くなる前に『残り少ない人生悔いのないように生きる!』と。静岡から私が住む東京に来て、中野ブロードウェイまで下見に行かされました」 親子で中野ブロードウェイへ、時計の下見に行かれたのですね。 「父は肺癌だったんです。笑いと切なさが詰まってますけど、その時は息がしにくくなっちゃってる状態で……酸素ボンベを背負ってきました(笑)」 酸素ボンベを背負って! お父様の気合がうかがえますね。 「私の実家は静岡なのですが、父は東京の大学に通っていたので、東京に行くのが大好きで。私が幼いころ、父が趣味である茶道の集まりに東京に月1回出かけては、お土産を買って来たのを覚えています。私が社会人になって東京に住み始めてからも頻繁に泊りに来てました。年頃のひとり暮らしの娘の家に!(笑)」 それだけ仲が良かったのですね。 「はい、父が大好きでした」