「クボ!リズムが好きだよ」少年の熱弁後、“美しく柔らかな”アシスト…久保建英とソシエダの幸せな関係「久保が推す“同い年の有望株”とも」
12月12日に行われたUEFAヨーロッパリーグのリーグフェーズ6節、久保建英が所属するレアル・ソシエダは、ディナモ・キーウと対戦。久保のアシストもあり3-0の勝利を収めた。ラ・リーガ、EL、国王杯と直近5試合で連勝を遂げ、シーズン序盤から続いた不振を払拭している。この試合の撮影のため、ソシエダのホームタウンであるサンセバスチャンへ向かった。 【撮影写真から見る】「し、姿勢が美しい…」久保のラストパスが柔らかい。「相手ユニ品定め…カワイイ」「現地で少年ファンに愛されまくり」久保とソシエダの幸せな関係を全部見る
「クボ…リズムが好きだよ。逆サイドの展開もね」
キックオフは21時、取材に備えて英気を養うために――美食の街の中でも特に飲食店の集まる旧市街へ。ただこの日は閑散とした雰囲気が漂う。いつも人で溢れるタパス屋さんも、日本でも有名なバスクチーズケーキのお店も並ぶ必要もなかった。 世界的な観光都市のこの地では、11月頃に夏休みを取る飲食店も多いと聞く。書き入れ時の夏からずらした今がシーズンオフとなり、ユーロ高の中でホテルや飛行機の値段もややお手頃感を感じさせる。 そんな街全体の停滞感が影響したのか、この日の入場者数は控えめで、ELグループステージ突破のための大事な一戦だったにも関わらず空席が目立っていた。 それでも観客席最前列からは、「Kubo!」と声をかけてくる多くのサポーターがいた。「最近アランブルが好きなんだ」とはスシッチのサードユニホームを纏った男の子。この言葉に続けて、久保の長所を熱弁してくれた。 「一番はドリブル、特にリズムが好きだよ、逆サイドへの展開もね」 スターティングイレブンとしてアップへと現れた久保は、やや臀部を気にしたそぶりを見せ、過密日程の影響を感じさせていたが、ピッチのスクリーンで十数秒間もその姿を追われるなど、キックオフ前から注目度の高さをうかがわせた。
柔らかなラストパスでアシスト…その瞬間
ELアンセムに合わせるようにやや強くなった雨の下、両チーム選手が入場してキックオフを迎えた試合は序盤からホームチームが圧倒。久保は攻撃時には右ウイングとしてチームを牽引した。 また守備時には、今季のベストゲームともいえたバルサ戦時と同じく、2トップの一角として積極的に前プレスを敢行。守備ラインからパスを繋ごうとする相手の意図を分断した。前半19分には、ミケル・オヤルサバルが自ら得たPKを一度はストップされたものの、こぼれ球に詰め先制点奪取に成功した。 そして迎えた24分、ピッチ中央に絞ってボールを引き出した久保がそのまま前進。ボックス内のオヤルサバルへとパスを通した。 一度は相手守備者に阻まれたものの、再度ボックス内でボールをキープした久保は、冷静にゴールと平行するようにドリブル。相手ディフェンダーを引きつけ、フリーとなったシェラルド・ベッカーへと――美しい姿勢で柔らかなラストパスを送る瞬間をファインダー越しに捉えた。久保からのお膳立てを受けたベッカーは豪快にダイレクトシュート。見事にゴールへ突き刺した。 さらに33分には、オヤルサバルがボックス内で個人技で相手を振り切ってダメ押し弾を突き刺し、勝負の趨勢は前半でほぼ決した。