「クボ!リズムが好きだよ」少年の熱弁後、“美しく柔らかな”アシスト…久保建英とソシエダの幸せな関係「久保が推す“同い年の有望株”とも」
同い年だけど“久保イチオシ若手”との好連動
2点目の攻撃のきっかけとなった久保に対して、効果的なパスをつけたのが23歳のウルコ・ゴンザレスだった。 かつて久保からソシエダ若手の“イチオシ評”(同い年であるが)を受けており、この日負傷離脱していたチームの要マルティン・スビメンディの代わりに抜擢されていた。手足の長い体躯に闘牛士の身のこなしで中盤を支え、久保とのコンビネーションの良さも見せた。 また久保はチームの好調に合わせるかのように、得点こそならなかったものの積極的にボックス内へも顔を出して4本のシュートを放った。オフザボール時にも、マークにつく相手に対しフェイクの動き出しで撹乱しての裏抜けやブライス・メンデスとのワンツーでゴールへ迫った。またウルコからのパスをサイドで受けると、ボックス内まで駆け上がり相対する守備者を左右に揺さぶり強烈な右足のシュートを放っている。 ソシエダは後半に入ると、3点リードという余裕ある状況、さらに中2日で迎える次戦を見据えてか、57分に久保、オヤルサバル、アランブルの3枚替えを敢行した。久保の前プレスがなくなったこともあってか、攻め込まれる時間帯も増えたが、無失点でゲームを終わらせることに成功している。
EL決勝Tへ…久保とソシエダの試金石は年明けに
この勝利により、ソシエダはELの順位を12位まで押し上げた。 欧州カップ戦は今季よりレギュレーションが変更され、少々馴染みのない勝ち上がり方式となった。上位1~8位が直接決勝トーナメントへ、9~24位が、残り8枠をかけてプレーオフを戦わなければならない。残り2節を残し、8位のレンジャースとソシエダのポイント差はわずか1。上位8位も射程圏内である。 特にソシエダのような規模のチームにとっては、現状の過密日程をこなすのは至難の業になっており(昨季辺りより、戦況に関わらず選手の負荷を優先した、時間によっての選手交代が増えてきているように感じる)、ストレートインすることのメリットは少なくない。 ELの次戦は年明けの1月24日、ここまで5勝1分無敗で首位のラツィオが相手となる。週末のラスパルマス戦で久保は先発したものの得点には絡めず、イエローカードを受けて67分に途中交代。そしてチームも0-0のスコアレスドローで公式戦連勝が止まったが――久保とソシエダにとって真価が問われる戦いは、2025年早々に訪れる。
(「欧州サッカーPRESS」中島大介 = 文)