【更年期】疲れがとれない、気持ちの波、体の不調どうしたらいい?医師が回答
女性なら誰もが訪れる「更年期」のアップダウンと上手に付き合うヒントを医師・高尾美穂さんが伝授。心や体の不調に悩むアラフィー女性のお悩みにお答えします! 更年期・女性ホルモンによる「不調」を乗り切る方法
Q.五十肩、体力の低下、物忘れなど、不調のデパート状態です……。
更年期症状と思われる不調があちこちに。改善するための、おすすめのサプリメントや簡単な筋力アップの方法などを知りたいです。(52歳・講師) ◆Answer まずサプリメントですが、医薬品になっているビタミンDやEPAなど以外は、あまり期待しないで。例外と思えるのが、大豆イソフラボン由来のエクエル(大塚製薬)です。化学構造式が女性ホルモンのエストロゲンに似ているエクオール含有食品で、私も長く愛飲していますが、科学的根拠があり、信頼できます。 それでも、100困っていることがゼロではなく、60になればいいくらいの気持ちで、全体の底上げとして取り入れてほしいですね。 そして本気で体調を整えたいなら運動が不可欠です。筋肉を鍛えると体はもちろん、心や脳にもよい影響が。有酸素運動と無酸素運動を少しずつでも習慣化することが理想です。 日常的にできる有酸素運動は階段上りや早歩き。無酸素運動のおすすめは、大きな筋肉である太ももや、方法によってはおしりを鍛えられるスクワット。椅子に座る手前で数秒我慢してみるなどいかがでしょうか。私は出退勤時、エレベーターの中で25回のスクワットを日課にしています。
Q.体の不調から精神的にもまいりがちです。
とにかく疲れがとれません。寝ても早く目が覚めてしまうし、やる気も出ない。40代では意識しなかった「死」についても考えるようになりました。(50歳・クリエイター) ◆Answer 「死」まで考えるとは、メンタル的にかなり落ちていますね。更年期のうつ状態に陥っている可能性があります。一度婦人科で相談し、ホルモン補充療法などを検討してみてもいいかもしれません。 あなたにかぎらず、40代を過ぎると睡眠満足度が下がるのは皆同じ。なかなか寝つけない、眠りが浅い、途中で目が覚める……。しっかり眠れていないことへの不安が焦りになり、それが心にもダメージを及ぼす悪循環に。 寝不足で日中に疲れを感じるようなら、20分程度の昼寝がおすすめ。これはパワーナップと呼ばれ、集中力がアップし、仕事のパフォーマンスも上がることが知られています。 あと、早く目覚めてしまっても、それがよくないことと考えないマインドにスイッチしましょう。音楽を聞いたり、本を読んだり、好きなことを楽しむ時間ができた、とプラスにとらえられるといいですね。 今、体調管理に必要なのは、睡眠時間の確保と、日中の活動量を増やすこと。昼間早歩きなどしてたっぷり体を動かして、日が暮れたら疲れて休みたくなるような、昼夜のメリハリを意識してみて。