「これが70歳の肉体なのか…?」衰え知らずの藤波辰爾に“宿敵”長州力72歳が「猪木さんを超えて」…念願の小倉城プロレスに見た“巌流島の幻影”
藤波辰爾は笑顔だった。ずっと夢見ていた「お城でのプロレス」が、11月16日、北九州市の小倉城天守閣前広場で行われたのだ。藤波は若い時から巡業先で80近くの城を回ってきた。『藤波辰爾の歴史探訪』という番組でも、多くの城を訪ね歩いている。 【衝撃写真】「これが70歳の肉体なのか…?」盛り上がった大胸筋、バッキバキの太もも…藤波辰爾70歳の“奇跡のカラダ”を一気に見る(全37枚) 山陽新幹線に乗っていると、車内から姫路城や岡山城、福山城などを見ることができる。藤波はそんな城が大好きだった。戦国の世の武将たちとリングに立つ自分を重ね合わせて、士気を高めていたという。話には聞いていたが、筆者は藤波と一緒に城に行ったことはなかった。 そんな折、藤波が小倉城にリングを組んで試合をするというので興味が湧いた。
子どものように笑った藤波辰爾「夢が叶いました」
当日の午後、藤波は一人で入念に屈伸運動をしていたが、顔を上げると子どものようにニコッとした。 「ずっとやりたいと思っていたんですよ。夢が叶いました」 藤波は城に行くたびに「ここでプロレスをしたい」と訴えてきた。だが、場所が場所だけに、話は簡単には進まなかった。 「どこから話をしたらいいだろうって。いくらお城が好きだからって、すぐできるわけじゃない。ここにリングを組みたいねって話して、お城の方はやることに乗り気でも、行政がOKを出してくれないことには進まない。『兵どもが夢の跡』じゃないけれど、戦国の世のお城は各街のシンボルでしょう。今回は町おこしの一環という意味合いも含めて、いろいろな方に協力と後押しをしていただいて、北九州市での開催が現実になりました。このニュースが伝われば、他のお城でもできるんじゃないかな。自分の中ではお城とリングはマッチするんじゃないかと思っています。ウチでもやってみたいというところが出てきてくれたらうれしいですね。小倉城がスタートです。市民の方が集まってくれて、喜んでもらって、お城の再発見にもなる。そんな活動も自分の役目の一つかなと思っています」
長州力「藤波さんに猪木さんを超えてもらいたい」
小倉城の「名誉城主」となった藤波は、この日を待ちわびていた。息子の怜於南(LEONA)も父親の夢を実現するために奔走した。イベントとして行われた「こどもプロレス教室」はLEONAらが担当した。リングが組まれた広場には屋台のスペースもあった。多くのキッチンカーが並び、うまいものを楽しむことができた。 「藤波家の食卓」もキッチンカーを出して、焼うどんを振る舞い、伽織夫人も姿を見せてファンでにぎわっていた。また、この日は立ち見なら無料でプロレスを見ることができた。地元のローカル局に加えて、NHKも取材に来ていた。 NHKといえば、一昨年、藤波が伝説の一曲『マッチョ・ドラゴン』を歌って話題になった。トークショーで来場した長州力に「あれはやっちゃいけない」と突っ込まれていたが、「オリコン4位になったんですよ」と藤波は自慢気だった。 長州は突然、“らしくない発言”をした。 「藤波さんのことは気になりますよ。いつかリングを降りるときが来るだろうけれど、ぼくは引退試合に行くつもりはない。それにはいろんな方や、選手が来るでしょう。でもね、家族を大事にした方がいい。支えてくれたのは家族でしょう。オレには藤波さんに、(アントニオ)猪木さんを超えてもらいたいというのがある。わかりづらいだろうけど、家族をリングに上げて終わった方が……。そうしたら猪木さんを超えられると思う」 藤波がきょとんという表情を見せた。「オレが言うと変か」と長州は笑った。 12月で71歳になる藤波だが、昨年よりいい体をしていた。サポーターはどこにもない。足も太く、びっくりするほど張りがある。「これが70歳の肉体なのか」と驚いてしまう。
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