NHKを退職したら「野生」になれた 「今日は稼ぎ0円じゃん!!」と焦っても毎日が刺激的! 武内陶子
2024年もそろそろ暮れが近づいてきました。みなさま、今年はどんな年でしたか?私は退職して劇的に環境が変化。なんといっても「NHKの武内アナウンサー」から「野生のトーコ」へ。あ、野生のトーコというのはその辺をふらふらしている野良トーコ活動のことを称してそのように申しております。退職してラジオをやめる時に、とっても仲良くしていた音声担当女子のミノワちゃんが「寂しいです~(涙)。でも家が近いから野生のトーコ目撃したら声かけますね」ってめそめそ泣いてくれて。「おお! そうか私は今日から野生のトーコとして生きるのか!!」と覚悟を決めたわけです。 【写真】 NHK新人アナウンサー時代の武内陶子さんはこちら まあ、フリーになったからといって仕事がどんどん降ってくるわけでもなく、「今日は1日ぼーっとしてたなあ。ハッ! わたし何にも生み出してない!! 今日は稼ぎ0円じゃん!!」という焦りも含めて、今年の私は全てがチャレンジ、まさに毎日が冒険でした。 仕事の仕方はすっかり変わりました。1日仕事したら3日休んで、またちょっと仕事、とか。だけど、「打ち合わせだけ」という日もたくさんあってそれほど忙しくはないんです。家から出て行かなくても原稿を書いていたり、家事をしていたり、自分次第の毎日。これ、会社を辞めれば当たり前のことなのだけれど、なにせ初めてのことなんで(笑)。あまりにも新しい生活様式に戸惑い、友人にお悩み相談したら「トーコちゃんはこれまで忙しすぎたんだよ」と。ふむ。そうか確かにね。 振り返ってみれば、30年ぶりに赴任してきた新人アナウンサーとしてNHK松山放送局からキャリアをスタートさせ、3年間の新人時代を過ごし大阪放送局へ。と同時に、とりあえず婚姻届を出し松山と大阪で別居婚。週末通い妻をやりながら「おはよう きんき」のキャスターをやって、そのうち夫が東京へ。今度は大阪―東京の別居通い妻。子どもがいなかったのでなんとかやり切るものの、飛行機や新幹線で毎週行き来するのは楽しかったけれど、時間もお金も体力もたくさん使ったなあ。 そうこうしているうちに、「おはよう日本7時台キャスター」として東京へ異動。ようやく夫婦同居できたのだけれど、私は夜10時には寝て午前2時半に起きる生活となり、同居しつつも家庭内別居みたいな生活で、気づけば30代も後半。 そろそろ子どもも欲しいなあと考えるも、人生そうはうまくいかず。満を持して相談した有名な鍼灸(しんきゅう)師さんに「子どもか仕事かどちらかでしょ?」と言われて「どちらも諦めない!!」と思い続けてきた私は落ち込み、涙。しかしそこから立ち上がって不妊治療に向き合いつつ、なぜか紅白歌合戦の総合司会を仰せつかり(前回配信「11月になると思い出す『紅白歌合戦』司会で経験した“大事件” 『最後に得点集計システムがぶっ壊れ…』に詳しく)、なんとかやり終えたその直後におなかに赤ちゃんが来てくれて39歳で母に。