休業の被災旅館、備品持ち寄り復興市 「お客様とふれあう場」再び
石川県七尾市の和倉温泉で3日、1月の能登半島地震で被災した旅館の備品や土産品を販売する「和倉復興めぐる市」が開かれた。大半の旅館が今も休業中だが、関係者は「復興に向け、立ち上がる姿を見てほしい」と意気込む。 【写真】3日に開かれた和倉復興めぐる市では、5軒の旅館が備品や土産品を販売した=2024年11月3日午前11時20分、石川県七尾市和倉町、西村宏治撮影 調理器具や食器に、花器や民芸品。会場となった和倉温泉お祭り会館には、加賀屋など5軒の旅館が持ち寄った品が並んだ。「地震で整理せざるを得なくなったものが、めぐりめぐって誰かの役に立つなら、痛みも和らぎます」。実行委員長を務めた美湾荘の多田直未社長(42)が言った。 当日は、開場前から100人超が列をつくる盛況ぶり。商品が足りなくなり、各旅館が取りに戻って補充する一幕もあった。同県能登町から来た60代の夫婦は、グラスなどを購入。「親戚が和倉の旅館に店を出していたが、地震で仕事を失った。周りの地域のためにも、ぜひ早く復興してほしい」と語った。
朝日新聞社