日本の「佐渡金山」不意打ち3連発…韓国政府の安易さが呼んだ災い(2)
◇「後続措置」に傍点、論争の種を自らまいた 7月佐渡金山の世界遺産登録前に「朝鮮人強制労働など『全体の歴史』(full history)が十分に反映されないなら、登録のためのコンセンサス(全員合意)を阻止する」と話していた韓国が登録に同意した背景は、日本の後続措置履行の約束を信頼したためだった。 「登録前の展示室設置」と「登録後の追悼式開催」が核心で、これは韓国政府が日本の行動を引き出したと自評した根拠だった。しかし、日本が佐渡金山付近の相川郷土博物館に用意した展示館のどこにも「強制」という表現はなかった。 追悼式交渉過程で日本政府が追悼式名称に「感謝」を入れるべきだと主張し、これを韓国政府が拒否することもあった。また、遺族の追悼式出席経費を韓国政府が全額負担することにしたことも慣例に合わないという指摘が出た。名称も「『佐渡島の金山』追悼式」で、正確に誰を追悼しようという趣旨なのか分からないという点も問題点に挙げた。 ◇譲歩するだけして…日本に主導権を与えた局面 最初から日本民間レベルで実施された追悼行事に▲今年からは日本政府高位関係者が出席することにして▲「韓国人労働者」を含むすべての労働者を追悼することにしたとし、韓国政府が意味を過度に付与したことが誤判断だったとの指摘もある。 特に追悼式の場合、最初から日本が約束を破る可能性はいくらでもあったが、これを成果として強調し、かえって日本に主導権を与える格好になったという指摘だ。それでなくとも過去史問題に関連し、毎年繰り返される「カレンダー性悪材料」が多い韓日関係に、葛藤の種として追加されたにすぎないとの声も聞かれる。 これに関連し、佐渡金山研究の関連の権威者である日帝強制動員平和研究会のチョン・ヘギョン代表は「今回誤った先例を残すよりも、韓国が不参加を決定したことはむしろ幸いだった」とし「日本の後続措置が甘かったことに対して韓国政府がユネスコ側にも積極的に問題提起をし、毎年の追悼式開催を越えていつでも追悼が可能な空間を作るなど代案も提示しなければならない」と話した。 ◇繰り返される「過去史問題」軽視 今回の事案に関連して、実務協議を主導したのは外交部だが「生稲政務官の出席受け入れ→追悼式ボイコット」という決定を下すことができたのは、結局大統領室だったというのが政府内外の支配的な解釈だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府が発足以降一貫して「韓日関係の改善」という「外交的レガシー」だけにこだわり、両国関係の最も敏感なつなぎ目である過去史問題に対して安易にアプローチする様相が再び繰り返されたという声が出る理由だ。 昨年3月、数年間両国関係を冷え込ませてきた強制徴用問題を解決するために「第三者弁済」解決策を打ち出したが、2年近くにわたり日本側からの呼応が一度もないのが代表的な事例だ。当時韓国は「われわれが水のコップを先に満たせば、日本が残りの半分を満たす」〔朴振(パク・ジン)前外交部長官〕と期待したが、今回の追悼式の一件で日本は入っていた半分の水までひっくり返してしまった格好になった。