「突然降ってきたアイデア」大阪・高槻にスピード移転の関西将棋会館 将棋文化の醸成目指す
市側には「福島区に思い入れのある棋士から反対意見があるかも」との心配もあったが、移転で見込まれる建設コスト削減や建設費へのふるさと納税の活用のほか、固定資産税などの優遇措置を提案し協議を続けた。
そして3年4月、移転が正式決定する。市長の〝思い付き〟からわずか3年程度での実現だった。「連盟側もメリットを感じてくれたのではないか」(浜田市長)。
ソフト面での将棋のまちづくりも始まった。4年度から市内の小学1年生全員に、市産の木材で作った将棋の駒を配布。市立小で棋士を招いた出前授業も行う。
民間も盛り上げる。対局で注目の「勝負めし」では、同会館から往復5分程度にある店舗が開発に挑み、12月中旬にもメニューブックがまとまる。芥川商店街事業協同組合の佐々木理事長は、飲食店以外でも「将棋関連グッズなどを開発したい」と意気込む。
中核市の高槻市だが、この10年ほど人口は微減傾向だ。「市外から関係人口を増やす。それが経済活性化につながっていくはずだ」(浜田市長)と期待を込める。(格清政典)