バレー髙橋藍が語る「学業との両立」 世界トップリーグで活躍しながら、大学を卒業
バレーボール男子日本代表の髙橋藍選手(22)は、日本体育大学の学生でありながら、イタリアの1部リーグで活躍しています。大学時代になぜイタリアに渡り、現地でどんなことを得たのでしょうか。2024年3月で卒業する大学生活を振り返ってもらいました。 【写真】年越しパーティーでイタリア人トレーナーと笑顔の髙橋藍選手
――イタリアの生活はいかがですか。 意外と海外生活が向いているのかもしれません。大学2年でこちらに来たときは、家族にも友だちにも会えなくて寂しさを感じましたが、1カ月くらいで慣れてしまいました(笑)。 ――イタリア語も勉強しているのですか。 イタリア語はチームメイトとの会話で少し覚えましたが、実はイタリアに来てから英語の勉強を始めました。いろいろな国で使える言語ということで、まずは英語から。といっても、学生時代は定期テスト前にあわてて勉強するタイプだったので、中学校の英語の教科書を引っ張り出してきて、勉強し直しています。 ――髙橋選手流の英語の勉強法はありますか。 洋楽を聴くことです。例えばショーン・メンデス、ジャスティン・ビーバー、エド・シーラン……。好きな海外アーティストの音楽を聴くことが、リスニングの勉強にもなっています。 ――現在、日本体育大学の4年生ですが、高校卒業後に大学に進学せず、Vリーグに進む選択肢は考えなかったのでしょうか。 当時は自分のスキルを考えると、Vリーグでやっていく自信がありませんでした。日体大への進学を選んだのは、厳しい環境で自分を追い込み、力をつけたかったからです。実際に大学のチームは、礼儀やマナーの面がすごく厳しかったですね。昔から引き継がれている伝統やルールのようなことをしっかり指導してもらい、いい勉強になりました。 ――大学ではトレーニング学や運動力学も学んだのですか。 日体大の授業は、スポーツを深める講義が多く、学んだ知識がそのままアスリートの生活に役立ちます。例えば、効率よく筋力をつけるためにはトレーニングの合間にこのくらいの休息を挟むといいとか、食事はこんなものを食べた方がいいとか。僕も大学で学んだことを、実際のトレーニングに採り入れていました。その成果もあってか、実戦では1年でエースとしてインカレ(全日本バレーボール大学男子選手権大会)に出場して、決勝まで進むことができました。 ――大学時代に思い出に残っていることは何ですか。 1年生の頃はコロナ禍だったので、試合は無観客でしたし、チームメイトと一緒に練習できる時間も貴重でした。思い出があるのは、インカレの準々決勝で筑波大学と当たって、フルセットの末に逆転で勝った試合ですね。エースとして託された場面で活躍できて、チームからの信頼もあがったと思います。 高校まで同じチームでプレーした2つ上の兄(現在はVリーグ1部のサントリーサンバーズに所属する髙橋塁選手)がいた日本大学と対戦する機会にも恵まれて、いい思い出になりました。 ――大学に進んだからこそ、経験できたことがたくさんありますね。 そうですね。自分の成長にとって欠かせない時間だったと思います。当時は寮生活だったので、チームメイトと一緒にご飯を作ったこともいい思い出になりました。得意料理はチャーハンです。ポイントは、具の卵にも味をつけること。おかげで料理が好きになり、イタリアに来てからも自炊していて、カルボナーラも作れるようになりましたよ。基本は和食中心で、最近は鮭のホイル焼きを作りました。