バレー髙橋藍が語る「学業との両立」 世界トップリーグで活躍しながら、大学を卒業
石川選手の活躍も刺激
――大学でいろいろな経験ができていた中、なぜイタリアに行くことを決意したのでしょうか。 一番は東京オリンピックで自分の力不足を痛感し、もっとバレーがうまくなりたいと思ったことです。パリオリンピックで戦うためには、自分がもっと成長しないといけない。そのために一番いい環境はどこだろうかと考えたときに浮かんだのが、イタリアリーグでした。先にイタリアリーグでプレーしていた先輩の石川祐希選手の成長も、刺激になりました。
言葉の自己アピールも大切だけど
――イタリアの新しいチームにはすぐになじめましたか。 チームメイトはフレンドリーなのですぐに溶け込めましたが、バレーボールそのものに関しては慣れるのに少し時間がかかったかもしれません。一番難しかったのは、自分らしいパフォーマンスを、シーズンを通して安定して発揮すること。僕自身は日本代表としての経験があったし、イタリアでも自分のプレーが通用するだろうという自信もあったのですが、入団当初はレシーブ力、ディフェンス力を評価されていたこともあり、なかなか試合ではスパイカーとして起用してもらえませんでした。 ――そのような状況をどのように変えていったのでしょうか。 ただただ一歩ずつ、自分の力を証明していきました。日本人はあまり自己主張をしないですが、イタリアも含め海外の選手は、監督にもチームメイトにもどんどん言葉でアピールします。 そういう環境に行けたことで、自己主張することの大切さは実感しましたが、能力をアピールするという意味では、日本にいたときのスタイルはあまり変えていません。特に監督に対しては、言葉で伝えるよりもプレーで伝えたいです。プレーで自分の力を証明したいし、気持ちも伝えたい。そうすることで、いい信頼関係を築けると思っています。 ―イタリアのファンもかなり熱狂的ですよね。 イタリアのファンは、地元チームへの愛が強いですね。ミスをすれば怒られるし、いいプレーをすれば大喜びして「パーティーだ!」みたいな感じになります。ファンの熱さはプレッシャーになることもありますが、やはり喜んでもらえるとうれしいです。 ――精神面も鍛えられたのではないでしょうか。 以前にも増してポジティブになりましたし、何をするのも怖くなくなりました。世界は広かった(笑)。それがわかって、メンタルは強くなりましたね。もっといろいろなことに挑戦して成長したいという気持ちは、イタリアに来て、より一層強まっています。